女性蔑視発言で進退が注目されていた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が11日、辞意を固めたことが分かった。今夏の東京五輪開幕まで半年を切った中でトップ交代という異例の事態となった。

 森会長は3日に開かれた日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言し、世界中からバッシングを受けていた。翌4日に謝罪会見を開いて発言を撤回。会長続投を宣言したが、会見中の感情的な言動が問題視され、火に油を注ぐ形となった。

 その後、国際オリンピック委員会(IOC)は「この問題は終わった」とコメントしたが、大会ボランティアや聖火ランナーの辞退者が相次ぐなど国際問題にも発展。事態を重く見たIOCは改めて「完全に不適切」と声明を修正して発表していた。

 また、10日には東京大会の最高位スポンサーでもあるトヨタ自動車の豊田章男社長(64)が「誠に遺憾だ」とコメントを発表。さらに同日、東京都の小池百合子知事(68)はIOCのトーマス・バッハ会長(67)、橋本聖子五輪相(56)、森会長との4者会談をボイコットする意向を示すなど、森会長への風当たりは日増しに強まっていた。

 関係者によると、森会長の後任は選手村の村長で元Jリーグチェアマン、日本サッカー協会会長などを歴任した川淵三郎氏(84)で調整しているという。

 森会長は12日に行われる組織委の臨時会合で正式に辞意を表明するとみられる。