【スポーツ情報局】
五輪担当記者:時代も変わったものですね…。
デスク:どうしたの?
記者:栄光の五輪メダリストでも就職活動する時代になったんです。ロンドン五輪フェンシング男子フルーレ団体銀メダリストの千田健太(28)が日本オリンピック委員会(JOC)が主催するアスリートのための就職支援説明会「アスナビ」に参加しました。同制度を通じて所属企業が決まりメダリストになった例はありますが、現役メダリストが利用するのは初めてのことです。
デスク:メダリストなら、何もしなくても引っ張りダコのイメージがあるけど。
記者:JOC関係者も「びっくりしました…。それだけ厳しいということ」と驚きを隠せずにいました。しかも千田はW杯キューバ大会を見合わせてまでこの機会に“かけて”いましたからね。
デスク:背景には何があるんだ?
記者:千田の場合は引退を撤回したというやむを得ない事情がありますが、景気の停滞やメダリストの増加も一因です。ロンドンで日本は過去最多の38個のメダルを獲得しましたが、その分、メダリストの注目度も分散されてしまいました。
デスク:正直、よく覚えてない選手もいるよ。
記者:それにメダリストの中には一流企業に所属していても、正社員ではなく契約社員のケースもあります。前出の関係者は「表には出ていないけど、悩んでいる選手はいると思います。どういう状況で就職されているか分からない」と話し、決して千田だけが例外でないと強調していました。現役生活より引退後の人生のほうがはるかに長いですし、今後は現役中に競技だけでなく、セカンドキャリアに必要な「人間力」を磨くことも不可欠になりそうです。
デスク:うーん、メダリストだけではなく、我々サラリーマンにも耳の痛い話だな…。