〝失言王〟の本領発揮だ。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が、日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で「女性がたくさん入っている理事会っていうのは時間がかかります」などと発言。東京五輪開催に向けて国民の理解を得ようとする中、波紋を広げかねない事態となっている。

 問題の発言は、JOCが女性理事の割合を全体の40%以上にすることを目標としていることを受けてのもの。

 この日の会議はオンラインで公開されており「テレビがあるからやりにくいんだが」と前置きした上で冒頭の発言につなぎ、続けて「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手を上げていうと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです。前の発言に関連したものではなく、思いのままに」との私見を述べた。

 さらに「女性の数を増やす場合には発言時間をある程度規制しないと、なかなか終わらないで困る。組織委にも7人ぐらいおりますが、皆さんわきまえておられて」などと話した。

 また2005年から15年まで会長を務めていた日本ラグビーフットボール協会を例に挙げた際には「(自分がいたころの)倍の時間がかかっている。(女性理事が)10人いるのか、今。5人? 10人に見えるな」と、女性の見た目を揶揄するような発言もあった。

 この日は五輪開催を改めて明言したものの「報道では(首相の)菅(義偉)さんか私、どっちが多いかというぐらい悪口ばかり。家内に『総理をやめてもこんなに言われるなんて、よっぽど悪いことしているんですか』と言われたから『批判している奴の心が悪い』と言った」と堂々と語っていたが…。

 今回はまた女性をさげすむような発言をしただけに、さらに「悪口」を言われることは間違いなさそうだ。