パワーリフティングの全日本選手権が30日、東京・千代田区立スポーツセンターで開幕。男子49キロ級は、西崎哲男(43=乃村工芸社)が3回目の試技で136キロを挙げて優勝した。三浦浩(56=東京ビッグサイト)は133キロで2位に入った。

 新型コロナウイルス禍による自粛期間中は、自宅で愛娘と練習に励んだ。約8か月ぶりの実戦となったチャレンジカップ京都(10月、サンアビリティーズ城陽)では、138キロの日本記録を樹立して優勝。その後も感染防止対策を取りながら、コーチからオンラインで指導を仰ぐなど、貪欲にレベルアップを目指してきた。

 そんな中で行われた一戦では「日本で結果を残してW杯につなげていきたい」との言葉通り、54、59キロ級時代を合わせ、8大会連続となる日本一の座に輝いた。

 東京パラリンピックに出場するには、東京パラリンピックランキングで8位以内に入らなければならない。現在12位の西崎が出場圏内に食い込むためには、3月のマンチェスターW杯、6月のドバイワールドカップW杯(各国際パラリンピック委員会指定大会)で少なくとも147キロ以上挙げる必要がある。

 かねて「東京へはどうしても出なければならない」と語っていた西崎。決して簡単な道でないが、自らの力で夢切符をつかみ取る覚悟はできている。