前人未到の大台は予言されていた!? 24日(日本時間25日)に行われた米プロフットボールNFLのプレーオフ、ナショナルカンファレンス(NFC)決勝戦でパッカーズに31―26の勝利を収めたバッカニアーズのQBトム・ブレイディは、歴代最多となる自身のスーパーボウル出場回数を10回に伸ばす道を開いた。史上最高QBともいわれる43歳が、昨季負け越しのチームを移籍1年目で18季ぶり2度目の頂上決戦へ。この活躍を見込んでいたのが、大統領を退任したドナルド・トランプ氏だったという。

 ブレイディの3TDパスなどでリードを保ち、パッカーズの猛追を振り切ったバッカニアーズ。大舞台に強い男が12シーズン遠ざかっていたスーパーボウルにチームを導いた。

 敵地グリーンベイでの対戦。パス36回中20回を成功させ、280ヤードを獲得した。第2クオーターはWRゴッドウィンに52ヤードのパスを通して好機を演出。前半終了間際には39ヤードのTDパスでリードを11点に広げた。「(攻撃ラインの)パスプロテクションが驚くほど良かった」と味方を持ち上げた。

 20年在籍したペイトリオッツから、昨季7勝9敗のバッカニアーズへ。リーダーシップを発揮して若い選手の力を引き出した。アリアンズ監督は「『われわれもやればできる』と彼が示してくれた。1人の男が全てを変えた」と敬服した様子だった。

 そんなブレイディの活躍を開幕前に“予言”していたのが、当時は大統領だったトランプ氏だった。2人はかねて親交ぶりが報じられていた関係だ。

 バッカニアーズのコミュニティーサイトに昨年8月掲載されたのは、トランプ氏がブレイディの成功を信じているとの記事。

 記事によると、スポーツジャーナリストのクレイ・トラビス氏のインタビューを受けたトランプ氏は、バッカニアーズについて「良い攻撃ラインと素晴らしいレシーバーたちがいる」と発言。続けて「彼はタンパベイ(バッカニアーズの本拠地=フロリダ州)でうまくやるだろう。彼は多くの人々を驚かせるだろう。彼は大きな仕事をやる」とブレイディに言及した。

 昨季まで歴代最多となる9回のスーパーボウルに出場し、6回勝利、4回のMVPに輝いた。シーズンMVPは3回。数多くの栄誉で飾られてきたブレイディに、連覇をかけるチーフスと対戦する2月7日(日本時間8日)のスーパーボウルは絶好のおぜん立てが整った。

 試合は地元タンパで行われる。バッカニアーズは本拠地開催に初めて出場するチームになった。相手のチーフスはアメリカンカンファレンス(AFC)決勝でビルズを38―24で下してスーパーボウル進出。QBパトリック・マホームズ(25)とは世代間対決となる。