今週の「ウイークリーbj」は10、11日に開催された西カンファレンス準決勝から、2年ぶりのbj王者を目指す沖縄の戦いをリポートする。

 勝負は開始3分で決まった。10日の第1戦は79―49で沖縄の圧勝。30点差負けから雪辱を期した浜松にいきなり強烈な“カウンターパンチ”を食らわしたのが今季のbjリーグ新人王、岸本隆一(23)だ。

 開始早々にまずは3点シュートを決めると、続いて浜松ボールをスチールして自ら速攻。さらに3ポイントを2回連続で沈め、ティップオフからわずか3分半ほどの間に11得点。「持ってるな、と思った」(岸本)と思わず自画自賛するほどの活躍だった。

 浜松は4分すぎにジャメイン・ディクソン(27)が3点シュートを決めてようやく初ゴール。第1クオーターは18―7、続く第2Qも沖縄は失点を8点に抑え、前半で36―15。一昨年はbjリーグの頂点に立ちながら、昨年は地区準決勝でまさかの敗退。有明での「ファイナルズ」に進出できなかった悔しさを晴らすべく、沖縄が試合の大勢を決めたかに思われた。

 だが、2010&11年王者の浜松も食い下がる。後半は5本の3ポイントを決めるなど、第4Qは開始2分30秒で10―2の猛追で11点差に迫る。

 その嫌な流れを山内盛久(24)が断ち切った。見事なスチールからアンソニー・マクヘンリー(31)へのアシストで主導権を奪い返すと、キブエ・トリム(29)も浜松に引導を渡すダンクを叩き込み、72―55で快勝した。

 伊佐勉ヘッドコーチ(44)は「72得点じゃ、有明では勝てない」と辛口採点。それでもこの日は球団史上最多の3795人のブースター(ファン)を集め、プレシーズンとプレーオフを合わせた年間観客動員数は10万1054人を記録。bj史上初めて「10万」の大台を超えた勢いで「ファイナルズ」(24~25日、東京・有明コロシアム)に乗り込む。