競泳背泳ぎのエース・入江陵介(24=イトマン東進)が椎間板ヘルニア克服のため、寝室改良に着手する。

 入江は13日まで行われていた日本選手権の背泳ぎ100メートル、200メートルで、大会6冠を目指していた萩野公介(19=東洋大)を破って優勝。タイムも良好で自身が持つ日本記録の更新が見えてきたばかりか、2016年リオデジャネイロ五輪での金メダル獲得にも弾みをつけた。

 一方、気になるのが昨年9月に発症したヘルニアだ。スポーツ選手にとって致命傷になりかねないケガで、指導する道浦健寿コーチ(59)も「本当に死刑宣告と思いました。ヘルニア=終わりという感じですよ」と一時は競技生活の断念が頭をよぎったほど。今後も手術を避けるため、慎重に付き合っていく必要がある。

 少しでも腰に負担をかけないため、入江は練習への姿勢を大きく変え、入念にケアを施すようになった。さらに道浦コーチによれば「特に朝、寝起きは注意してますね。ベッドの問題から何もかも変わってきてると思います」。

 競泳選手は背中から腰に向かって体のラインが「S字」になりがち。睡眠や起床に細心の注意を払うのはもちろん、ベッドやマットレスの硬さ、枕の高さを工夫することで、腰への負担を軽減することができる。

 これらの策は、今後も改善を重ねていく。ヘルニアの再発防止だけでなく、競技力アップも期待大。日本水泳連盟の幹部は「入江はもともと慎重なタイプ。(ヘルニアは)かえってよかった。練習にも集中する」と入江の躍進に太鼓判を押している。