これは何とも珍しい。ロンドン五輪競泳女子100メートル背泳ぎ銅メダリストで昨年末に引退した寺川綾さん(29)が22日、所属先のミズノを通じ結婚、妊娠を発表した。お相手は元競泳選手で現在はインストラクターの細川大輔氏(32)。2009年のゴルフ国内ツアー賞金女王の横峯さくら(28)も同日、メンタルトレーナーの森川陽太郎氏(33)と入籍したと自身のブログに書き込んだ。“職場結婚”の同日発表となった日本を代表する美女アスリート2人。それぞれの事情とは――。

 寺川さんは「世界の美女アスリート11人」にも選ばれた美形スイマー。清楚なルックスと見事なプロポーションに男性ファンは多かった。そんな寺川さんが自由型の元選手で世界選手権にも出場した細川氏と11日に婚姻届を提出していた。現在は妊娠5か月とのことで「大切な人と出会うことができました。また、新たな命も授かりとてもうれしく思います。これから新しい家族と築いていく人生が楽しみです」とのコメントを寄せた。

 関係者によれば、2人は2008年北京五輪後から交際がスタート。競泳界では知る人ぞ知るナイスカップルだった。現役を引退した細川氏は競泳五輪金メダリストの北島康介(31=日本コカ・コーラ)が設立したスイミングスクールのインストラクターとして活躍。頼りがいのあるお兄さん的存在で子供を含めた多くの会員から慕われているという。さっぱりとした性格の寺川さんも細川氏の懐の深さにほれ込んだようだ。

 細川氏の支えもあり、ロンドン五輪では2個のメダル獲得。五輪後に写真週刊誌で交際が発覚したが、障害にはならず愛を育み続けた。寺川さんは昨年末に結婚について本紙に「全くないです」「いつかはあるかなと思っています」などと白紙を強調していたが…そこから4か月後の入籍。やはり妊娠が背中を押したようだ。寺川さんは今後も体調を見ながらミズノでの活動を継続していく方針。トップスイマーを両親に持つ2世の将来も楽しみだ。

 一方の横峯は22日午後10時30分、公式ブログに入籍したと記した。メンタルトレーナーの森川氏とは「2年半のお付き合いを経て入籍しました」とつづっている。所属事務所によると、妊娠はしていないという。

 森川氏はプロ経験こそないものの、サッカー選手としてスペインに渡った経歴を持つ。目標を「これができればOK」という達成可能な範囲に設定して、成功体験を積み重ねることによってレベルアップを図る独自の「OKライン」理論を確立してメンタルトレーナーとなった。

 今週は国内女子ツアー「フジサンケイレディース」が開催される。「私たちにとって、とても大切な時間を過ごすきっかけになった試合の週に入籍しようと2人で決めました」と記した通り、このトーナメントは2人には特別なものだ。2年半前に関係者から紹介され、陰ながらサポートをしてきた森川氏が正式にトレーナーとなったのが昨年大会。また、横峯は2004年夏のプロテストに合格後、当時9月開催の「フジサンケイ」がプロとしてのデビュー戦だった。当初は24日のプロアマでの発表を予定していたが「良い夫婦」の日の入籍を選んだという。

 横峯は以前から「30歳までに結婚」を公言してきた。昨年12月には姉の彩花さん(30)が挙式。その姿を見てオフに結婚を決意したという。ブログにはプロゴルファーとしては一線を退くと受け取れる表現もあるが、関係者によれば「引退する気は全然ない。むしろ長くやりたいと思っている」。現在の通算勝利数が「22」ということもあって「30勝して永久シードを獲得することには、意欲を見せている」(同関係者)

 永久シードを獲得すれば「出場義務試合数」の“縛り”がなくなり、自分のペースでスケジュールを組める。昨年は4勝したが、このペースをあと2年続ければ20代で達成。その後に出産や子育てと並行しながらでも“プロゴルファーさくら”を続けられるからだ。

 2人の結婚発表が同日になったことは単なる偶然だが、共通点は“職場結婚”ということ。競技で高いレベルを保つためには、やはり競技の本質を理解している伴侶が必要ということか。