日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)が5日、JOC職員へ向けた年頭あいさつを行った。

 本来は対面で行うはずだったが、新型コロナウイルス禍を鑑みて今年はリモート。山下会長は「まだまだコロナ禍の状況は大変厳しい。しかし、何とか終息に向かい、安心安全な形で東京2020大会が開催できるよう、みんなで心を一つにして取り組んでいきたいと思っております」と第一声。

 昨年はコロナ禍であらゆるスポーツ大会が中止に追い込まれ、東京五輪は史上初の延期という事態となった。それを踏まえ、山下会長は「私たちは安心安全な平和な社会でこそスポーツ活動を実践していくことができる、そして暗い厳しいコロナ禍の社会状況の中でスポーツが一つの光や希望になれることを感じました」と話した。

 また、年末年始に多くのスポーツが開催されたことに触れ「現在、コロナ第3波襲来と言われていますが、元旦からサッカー、ラグビー、あるいは駅伝といったスポーツで若い選手たちがひたむきなプレーを行い、そのことが社会に対して明るい話題を提供し、感動を呼ぶことができました」と振り返った。

 さらに山下会長は開催が危ぶまれる今年夏の東京五輪を「スポーツ界だけのイベントではなく、50年に一度の国家的なプロジェクト」と位置付けた上で「国も都も組織委員会もIOCも今年7月、安心安全をしっかり確保した上で東京2020大会を開催することに対して、揺るぎない決意を持っています。約200日後、世界中のトップアスリートたちが東京に集う、そして最高のパフォーマンスを発揮し、選手たちのひたむきなプレーがコロナ禍を乗り越えた世界中の人々の明るい希望の光となるように、我々JOCも、職員の皆さんも、力強いサポートを得てまい進していきたいと思っております」と熱い思いを口にし、改めて開催をアピールした。