世界的スターに並ぶことはできるか――。スピードスケートの全日本選手権(北海道・明治北海道十勝オーバル)で前人未到の5冠を成し遂げた平昌五輪金、銀、銅メダリスト・高木美帆(26=日体大職)のオールラウンダー化に注目が集まっている。

 今大会は主戦とする中長距離だけでなく、500メートルで平昌五輪同種目金メダリスト・小平奈緒(34=相沢病院)に競り勝つなど、短距離でも強さを発揮。ネット上では、1980年レークプラシッド五輪のスピードスケート男子で5冠に輝いたエリック・ハイデン氏(62=米国)を意識する声も飛び交っている。

 高木美自身も、30日の会見で「オールラウンダーは、5000メートルが終わった直後にもう1回5000メートルを走るのかって思うと純粋に答えられない部分がある」と苦笑いを浮かべながらも「オールラウンダーで戦うことや勝つことに対して、自分の中で憧れや面白さを感じている。自分のスケートのスキルを伸ばすために全種目をやるっていうよりは、単純にオールラウンダーで戦いたいっていうこだわりもある」と胸中を明かした。

 とはいえ、満足しておらず「基本的に完璧なレースができたとは思っていない。どの種目もちょっとずつよくしていけるところはたくさんある」と課題を口にした高木美。さらなる高みへ、歩みを止めるつもりはなさそうだ。