圧巻の強さだった。スピードスケートの全日本選手権(北海道・明治北海道十勝オーバル)で、平昌五輪金、銀、銅メダリストの高木美帆(26=日体大職)が史上初の5冠を達成した。

 28、29日のレースで500メートル、1000メートル、3000メートルを制覇。この日も午前中の1500メートルで国内最高記録(1分54秒08)を叩き出して優勝を果たすと、約2時間後に行われた5000メートルでもリンクレコード(7分07秒33)をマークし、頂点に立った。

 レース後の会見では「5冠できたことより、5本走り切れたことの方が達成感がある。特に今シーズンは、最初の何大会かは種目数を絞って出場していたので、全部できるってことに喜びというか、やりがいを感じている。一つひとつのレースはそんなに高い点数をあげられるのは多くないが、全体を通してやり切ったってところは何点か分からないが、満足できるレベルかなと思う」と笑みを浮かべた。

 今後はオールラウンダーとしての活躍にも期待がかかる中「単純にオールラウンダーで戦うことや勝つことに対して、自分の中で憧れや面白さを感じている。単純にオールラウンダーで戦いたいっていうこだわりもある」と力を込める。

 いよいよ来季は北京五輪。大一番を前に、高木美が着実に進化を遂げている。