フィギュアスケート男子で五輪2連覇中の羽生結弦(26=ANA)が、平昌五輪スピードスケート女子500メートル金メダルの小平奈緒(34=相沢病院)に大きな刺激をもらっている。

 羽生は、先日行われた全日本選手権(長野・ビッグハット)で5度目の優勝を達成。試合後の会見では「テニスのロジャー・フェデラー(39=スイス)さんとかスケートの小平さんとかもそうだが、なんかその対人のスポーツでメンタルを使っているというか、経験を使えているのはスゴいなって思っている」と語るなど、小平に尊敬の念を抱いている。

 一方で小平も、スピードスケートの全日本選手権(29日、北海道・明治北海道十勝オーバル)後の取材で羽生について言及。「羽生選手に名前を出してもらえることが恐縮なんですけど、羽生選手の気遣いだなと思う。(小平の地元である)長野で(全日本選手権は)開催ですし、そのへんは周りへの配慮としてはさすがだなと思ってしまう」と目を細めた。

 ただ、今大会の小平は、フォームの修正中ということもあり、500メートルで2位、1000メートルで4位に沈んだ。それでも「どんな人にも共通するが、人生の中でうまくいかないことの方が多い。そういった中でどう乗り越えていくか。自分なら乗り越えられる。自信を持ってやっていきたい」と悲観する様子は見られない。

 逆境でも前を向いて走り続けるのが小平の強み。羽生はその〝スゴさ〟を知るからこその言葉だったのかもしれない。