馬術・高嶋活士 元JRA騎手が大けがから一念発起! 全日本選手権で2冠

2020年12月27日 10時00分

高嶋は人馬一体でパラリンピック出場を目指している(コカ・コーラボトラーズジャパン提供)

【Restart パラヒーローズ その壁を乗り越えろ(21)】まさに人馬一体だ。パラ馬術(グレード4)の高嶋活士(28=コカ・コーラボトラーズジャパン)は元JRA騎手という異色の経歴を持つ。一度は大ケガで挫折を味わいながらも新たな道でリスタートを切ったジョッキーの生きざまに迫った。 (随時掲載)

「迷いはなかった」。中学2年のころ、母親の「背も小さいし、なんか騎手っていう仕事もあるよ」とのひと言がきっかけで競馬の道に進むことを決意。競馬学校卒業後、2011年に念願のJRA騎手デビューを果たした。

 ところが、13年2月の障害レース中に落馬。頭部外傷、脳挫傷、右鎖骨骨折の大ケガで生死をさまよった。医者からは「復帰できるんじゃないかな」と言われたが、右腕と右脚にまひが残った。リハビリに励み「乗馬程度、駆け足くらいまでは乗れるようになった」と一定水準までは回復したものの「競馬レベルまでいくと厳しいな」と15年に現役引退を決断した。

 そんなとき、偶然ネット記事で元JRA騎手の常石勝義(43=明石乗馬協会)がパラ馬術で東京大会を目指していることを知り「そっちの道に行こうかな」と一念発起。東京大会出場を目標に、パラ馬術の世界へ足を踏み入れた。

 当初は競馬と馬術の違いに悪戦苦闘しながらも、着実に成長。11月の全日本選手権では2冠を達成し「だいぶ馬術らしい乗り方になったかな」と手応えを口にした。とはいえ、大舞台に立つためには、国際大会で実績を積み上げる必要があるだけに「右側を使ってやる運動がうまくいかないので、どうにかしないといけない」と課題の改善に取り組んでいる。

 ちなみに…本紙としてはこれを聞かずにいられない。競馬の総決算、第65回有馬記念(27日=中山芝内2500メートル)についてだ。元JRA騎手の高嶋は「ルメールが騎乗予定のフィエールマンかな。やっぱりよく勝っている騎手だし、勝ってくれるのでは」と分析。その上で「ラッキーライラックとかいいかなと思う。オッズ的にも万が一勝ったら、まあまあ儲けられていいな」と話す。

 いよいよ来年は勝負のパラリンピックイヤー。馬とともに第2の人生を歩む高嶋の演技から目が離せない。

 ☆たかしま・かつじ 1992年12月2日生まれ。千葉県出身。中学卒業後に競馬学校へ入学すると、2011年3月にJRA騎手としてデビュー。しかし13年2月の障害レース中の落馬事故で頭部外傷、脳挫傷、右鎖骨骨折の大ケガを負い、右腕と右脚にまひが残った。15年に現役を退いたが、パラリンピック出場を目指しパラ馬術をスタート。国内外の大会で実績を残し、東京大会の代表候補に名乗りを上げた。11月の全日本選手権では2冠を達成した。161センチ、58キロ。

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