日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)が30日、都内で定例会見を行い、15日から18日まで来日した国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66)とのやりとりについて言及した。

 滞在中、バッハ会長は菅義偉首相(71)や小池百合子都知事(68)との面会、新国立競技場や日本オリンピックミュージアムの視察、またアスリートへの激励と精力的に活動。そのため帰国直前に「疲れましたか?と聞いたところ『疲れるどころか、アスリートと接すると、こちらが元気をもらえる』とお答えいただいた」と満足げだった様子を明かした。

 さらにアスリートに対してメッセージを伝えることを頼まれたという。

「『ヤマシタ、一緒に行動してたからわかるだろう。私の五輪開催への思いを直接伝えてほしい』と言われましたので、20日に動画と書面で選手に伝えました」。選手向けアプリでの動画は熱がこもり「3分と言われたが、8分近くしゃべってしまった」と頭をかいた。

 また何度も話題になり「2020大会成功への重要な道しるべとなった」と感じているという、8日に行われた国際体操連盟(FIG)主催の国際交流大会「Friendship and Solidarity」についても触れた。

 閉会式での内村航平(31=リンガーハット)の「五輪が〝できない〟ではなく〝どうやったらできるか?〟を皆さんで考えてほしい」という言葉について「トップアスリートの勇気ある発言。しっかりと受け止めて準備をしていかないといけない」ときっぱり。改めて五輪開催へ向け思いを強めた。