IOC・バッハ会長 来日で何が得られた?

2020年11月19日 11時15分

バッハ会長(ロイター)

 やはり逆効果だったか。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66)が4日間の日本滞在を終え、18日に帰国した。

 今回は来夏の東京五輪開催への準備状況確認が目的。菅義偉首相(71)、小池百合子都知事(68)、大会組織委員会の森喜朗会長(83)らと会談し、選手村や国立競技場を視察して現役アスリートとも交流した。最終日には五輪トップスポンサーと面会するなど、とにかく開催ムードを盛り上げるべく精力的に動き回った。

 だが、日本国内で機運が高まったかといえば、むしろ逆だ。バッハ会長が訪れた都庁、国立競技場、日本オリンピックミュージアムの前では五輪反対派が横断幕を掲げて中止をアピール。3日間にわたって行われたIOC、大会組織委等の合同プロジェクトレビューでは武藤敏郎事務総長(77)が「今回は論点の整理。結論が出たわけではない」と言うように、大きな進展はなかった。ある組織委関係者は「今回はバッハ会長が来た!というセレモニーですよ」と内幕を明かすほどだ。

 一方、大ボス来日によって組織委の現場スタッフは多忙を極めた。バッハ会長が行く場所には通常より多い警備と関係者が配され、朝から晩まで対応に追われた。さらに現在は新型コロナウイルス第3波の真っただ中。マスクやフェースシールドを着けているとはいえ、いつ感染してもおかしくない状況で多くの人間がバッハ会長の動線で“密”をつくった。

 バッハ会長が「安心安全な大会」を何度も口にし、嵐のように去った後に残ったのは、疲労感と虚無感、そして五輪への反感だけのようだ。