【マカオ19日発】ボクシングのロンドン五輪ミドル級金メダリストで日本同級1位の村田諒太(28=三迫)がプロ3戦目(22日)に向け当地で練習を開始した。米興行大手「トップランク」社のボブ・アラム氏(82)が視察に訪れ、今後の青写真を明かした。

 帝拳ジムとともに村田のマッチメークを手がけるアラム氏は「次戦は日本で。その次はシンガポール」とし、2015年には米国本土に進出する計画を披露。その際には6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(35=フィリピン)の前座で起用する方針だという。

 さらにアラム氏はリオ五輪が開催される16年に「サンパウロでファルカンと一緒に試合をさせる」と明言。ロンドン五輪決勝で村田に敗れて銀メダリストとなったエスキバ・ファルカン(ブラジル)と“因縁の共演”となれば、リオ五輪前の大きな話題となるのは間違いない。

 ブラジルには約160万人の日系人がいるとされ、うち7割がサンパウロ州に集中している。約100万人の潜在的な顧客がいるとあって、世界的プロモーターは「彼らは1万ドル(約102万円)払ってでもムラタの試合を見に来る」と皮算用する。

 村田にとって“完全アウェー”になるため「メダリスト対決」を行う可能性は低いが、サンパウロ大イベントまでにはファルカン、村田ともに世界王者になってダブルタイトル戦とすることが理想だ。

 このプランに村田も「その時点で試合させてもらえる価値が(自分に)ないと意味がない。それまで勝ち続けます」。まずは22日にカルロス・ナシメント(40=ブラジル)を確実に仕留めて、次のステップに進む。