【スピードスケート】小平奈緒が心境の変化を告白 「金メダルを目指してやってきたのではない」

2020年11月03日 16時56分

リモート会見に応じたスピードスケート・小平奈緒

 スピードスケートの平昌五輪女子500メートル金メダルの小平奈緒(34=相沢病院)が3日、リモート会見で活動報告を行った。

 10月の全日本距離別選手権(長野市エムウエーブ)では同種目37秒73で6年連続11度目の優勝。今季は新型コロナウイルス禍で例年とは状況が一変しているが、小平は「先のことを考えて不安になるより、こういった状況を必死に乗り越えてみることが必ずプラスに働くと思う。環境の変化が与えてくれる挑戦を思う存分楽しめるシーズンにできたらいいと思っています」と言葉に思いを込めた。

 2022年の北京五輪では連覇に期待がかかる。しかし、平昌五輪で金メダルを獲得したことで、ある変化が生じたという。

「一度頂点に立ってみて、金メダルを目指してやってきたのではないって気づけた。五輪とはその時を駆け抜けるもの。その瞬間で自分の人生の最高の作品を表現し、皆さんに見ていただくところ。そこに人生を懸けるというよりは、人生の中の1ページの一瞬をすごく充実したものにしたいなっていう思いですね」

 コロナ禍ではボランティア活動も行った。昨年10月、台風19号で被害に遭った長野県のリンゴ農家へのエールとして、全日本距離別選手権では〝リンゴユニホーム〟も着用。「長野に生まれて信州で育ち、私が最初に五輪のイメージを強く持ったのは長野五輪」という小平は、こんな思いも口にした。

「スポーツ選手って応援されることが多いですが、ファンの方から応援の気持ちを頂くことで、人として応援されるばかりではなく、応援できる人でありたいということをファンの方から学びました」

 競技以外の活動に精を出し、ボランティアの人と接することで「人を思うということは、損得ではない」「競技という狭い空間にいるだけではなく、いろんな人の目線でいろんなことを感じ取れたことで私の人生を充実させてくれた」という境地に達したという。

 アスリートとして常に最高の結果を求められる宿命を背負いつつ、小平は「スポーツに関わっている限り、人としてしっかりした言葉、しっかりした心ある選手でありたい。その深さをスポーツを通じて身につけていきたい」という信念を持ち、今季も戦い続ける。