モーグル女子のエース、伊藤みき(26=北野建設)が捨て身の覚悟でソチ五輪に挑む。

 昨年12月7日にフィンランドで右ヒザの前十字靱帯を損傷した伊藤は全治8か月と診断され、一時はソチ出場に黄色信号が点灯した。しかし、元日から雪上での練習を再開。15、19日のW杯は欠場したものの、海外遠征に同行して滑りの感触を確認した。

 全日本スキー連盟(SAJ)の林辰男フリースタイル部長(61)は伊藤の実績と体調の回復を強調。この日発表した五輪代表に、5大会連続となる上村愛子(34=北野建設)らとともに伊藤を選んだ。すでに医師のゴーサインも出ていることを明かし、復帰戦となるソチには万全の状態で臨めるという。

 伊藤は「目標を変えずに進むことを支えてくれているすべての方に感謝し、最高の舞台で最高の滑りをしたいと思います」と遠征先のカナダでコメントした。

 ヒザに腫れや痛みはなくなっているというが、まだ衝撃の強いエアは飛べておらず、メダルに絡む戦いができるかはフタを開けてみないとわからない。しかし、諦めずに追い続けた代表決定により、モチベーションが高まったのは確かだろう。