昨年12月に右膝前十字靱帯を損傷したフリースタイルスキー女子モーグルの伊藤みき(26=北野建設)が12日、W杯に復帰するため渡米し、五輪出場に向け悲壮な覚悟を明かした。

 伊藤は手術すれば全治8か月という重傷だったが、1か月後に迫るソチ五輪に臨むため手術を回避。幸いにもヒザの回復は順調という。元日から雪上練習を開始し「五輪に間に合う、間に合わないではなく間に合わせようという気持ちでやっています」と力を込めた。

 それでも日本のエースが置かれた状況は依然厳しい。伊藤は「目指している100%の滑りをすれば痛みが出ることが多い」と話し、まだベストな滑降はできていない。エアも現在はストレートジャンプのみという。それでも出場資格を得た五輪への高い意欲を持ち、W杯参戦を決意した。

 全日本スキー連盟はW杯2戦(15日=米国、18日=カナダ)の状態を見極めた上で最終的な判断を下す方針という。

 伊藤は「調子がいい時も緊張や不安はあり、今はそれが大きいだけ。力に変えていきたい」と五輪に向けた決意を語った。