東洋大「脱柏原」で第2の黄金期へ

2014年01月04日 16時00分

東洋大・大津はガッツポーズしながら優勝テープを切った

「第90回東京箱根間往復大学駅伝」(2、3日)は往路優勝の東洋大が独走で復路も制し、10時間52分51秒で2年ぶり4度目の総合優勝を果たした。「新・山の神」こと柏原竜二(24=富士通)の卒業後は優勝を逃していたが、見事な復活V。この裏には、柏原世代が敷いた“恐怖政治”からの脱却があったという。どういうことか?

 

 大歓声に迎えられ、2年ぶりに鉄紺のたすきがトップで大手町に戻ってきた。双子のエース・設楽啓太(4年)、悠太(4年)ら待ち受けた仲間と喜びを味わったアンカーの大津顕杜(けんと=4年)は「23キロは長かった。でも、後輩たちがここまでつないでくれていたので頑張った」と、満面の笑みを浮かべた。

 

「山の神」として一時代を築いた柏原が抜け、前回大会は2位。頂点奪回を目指すうえで決め手となったのが、チームの大きな変化だった。設楽啓が主将を務める今回のチームは柏原時代と異なる雰囲気だという。

 

 柏原は4年時に主将を務めた。当時をよく知る選手たちは「すごく怖かった」と口を揃える。「山の神」はオーラ全開でチームを率い、つられるように柏原と同級生の4年生もピリピリとしたムードに。下級生に対してだけでなく、4年生の間ですらライバル関係が成り立ち、常に緊張感が漂っていたという。

 

 一方、今年の4年生世代は「闘争心を内に秘めるタイプ」(酒井俊幸監督)と正反対。主将の設楽啓はおっとり型で、4年生同士も和気あいあい。授業や食事など練習以外のキャンパスライフでも、いつも一緒に行動しているという。下級生に対しても同様で「後輩たちは、主将の啓太がうまく和ませていた。もちろん『なあなあ』になることは気をつけていましたが」(大津)。

 

 確かに下級生には「4年生の方々にはとても優しくしてもらいました」(1年・服部弾馬)と、先輩に対する“恐怖”は全くない。選手が違えば方法も異なる。柏原のような突出した“カリスマランナー”がいなかったこともあるが、無理をして柏原時代を踏襲するのではなく、自分たちのゆったりとした個性を生かした統率法でチームをまとめあげた。

 

 設楽兄弟ら4年生はこれが最後のレース。主力が抜けても、勇馬と弾馬の服部兄弟ら強豪選手が残っており、今後も期待がかかる。柏原時代を超える第2の黄金時代到来の可能性も十分ある。