日本パラ陸上競技選手権(5日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)、男子走り幅跳び(T63)の山本篤(38=新日本住設)が率直な思いを吐露した。

 新型コロナウイルス禍を考慮し、無観客で行われた今大会。6メートル49センチの跳躍で優勝を果たした山本だが、普段から観客を沸かせるパフォーマンスを披露していただけに、その胸中は複雑だった。

「なんで無観客にしたのかが、一つの疑問ですよね。これだけの会場を満員にできるだけの自信があったのかなと思う。僕には考えられなくて(政府の指針による上限で)入れるのが5000人くらいですよね?まあ、それぞれうまくやっていけば、十分観客を入れて試合ができたのではないか」

 一方、日本パラ陸連の三井利仁理事長は「いろんなことを考えたくなかった。まずは大会で選手に競技に専念してほしかった。対コロナと考えたときに(スタッフなどの)僕らも選手に集中したかっただけ」と釈明。選手と運営側の意見が分かれる形となった。

 選手の意見を取り入れるか、それとも運営側の意見を取り入れるのか。今後他競技でも新型コロナウイルス禍の中で試合を行う上では、観客の有無が議題のテーマになること間違いなさそうだ。