28日の安倍晋三首相(65)の辞意表明を受け、東京五輪・パラリンピックの関係者も驚きの声を隠せない。

 新型コロナウイルス感染拡大により五輪史上初の延期が決定した3月24日夜、IOCのトーマス・バッハ会長(66)と安倍首相は電話会談。この席で安倍首相から延期を提案し、それをIOC側が合意した経緯がある。16年リオ五輪の閉会式では〝安倍マリオ〟に扮して世界中を驚かせ、一部の関係者からは来年夏の再現を期待する声も挙がっていた。

 この日、辞任の一報を受けた関係者は一様に「残念」と肩を落とした。世界体操連盟(FIG)の会長でIOC委員を務める渡辺守成氏(61)は本紙の取材に「招致時より五輪開催にご尽力いただいた安倍総理が、五輪開催前にご退陣されることは大変残念です。多くの苦難を乗り越え、来年夏の五輪が無事に開催された際には世界中に元気な安倍総理の姿が紹介されることを願っております」と語った。

 なお、安倍首相は同日の会見で来年夏の大会へ向けて「先般策定されましたロードマップに示された手順に添ってしっかり準備を進め、開催国としての責任を果たしていかなければならないと思っております」と話した上で「私の次のリーダーもその考え方の基に目指していくんだろうと思います。そのために様々なやらなければいけないこともあるだろうと思います」と述べた。