<1次Lで見えた意外なV候補>注目すべきは守備力 “完璧”クロアチアと“出来すぎ”ウルグアイ

クロアチアはモドリッチを中心に強い「個」が組織的に攻撃(ロイター)

武田のW杯決勝T展望①】ロシアW杯は1次リーグの熱戦が終わり、30日から16チームによる決勝トーナメントの激闘が始まる。負けたら終わりの一発勝負。国際サッカー連盟(FIFA)ランキング1位のドイツが敗退する波乱の大会となっている中、生き残るのはどの国か。元日本代表FWで本紙評論家の武田修宏氏(51)が優勝国を大胆予想した。

 今大会は本当に予想を裏切る結果が多いね。FIFAランク1位のドイツが苦しむとは思っていたが、まさか1次リーグで姿を消すとは。こうなると、16強に残ったすべてのチームに優勝のチャンスがあるよ。

 ここで注目したいのは失点数。一発勝負のトーナメントで必要なのは、得点力よりも失点しない守備力だと思う。大会前、優勝候補の筆頭に挙げたブラジルと対抗のフランス、ベルギーはここまで3試合で1~2失点だから十分に優勝の可能性があるけど、それ以上に今大会に入ってから気になるチームが出てきた。

 まずはクロアチア。

 ここまで失点は3戦目アイスランド戦の1点だけだが、これは1次リーグ突破をほぼ決めた状況で戦力を落として戦ったからで、主力で臨んだナイジェリア戦とアルゼンチン戦が完璧に近い内容。後ろがしっかりしていて、前線はMFルカ・モドリッチ(32=レアル・マドリード)を中心に、強い「個」が組織的な攻撃を仕掛けている。組み合わせ的にも比較的楽な山に入ったので、決勝まで勝ち上がっても不思議ではないよ。

 もう一つ注目なのはウルグアイ。

 3試合連続無失点は出来過ぎかもしれないけど、相手の長所を消してうまく守れている。守備が踏ん張れば2トップのFWルイス・スアレス(31=バルセロナ)とFWエディンソン・カバーニ(31=パリ・サンジェルマン)の決定力が大舞台で生きるはずだ。1回戦のポルトガル戦を突破できれば、難敵揃いの山でも勝ち上がれるんじゃないかな。

 ブラジルは調子を上げてきたけど、1回戦で一番当たりたくない相手と戦うことになったね。メキシコのように一人ひとりが激しくチャージしてくるサッカーは大の苦手。南米クラブチーム王者を決めるリベルタドーレス杯でも、優勝候補と言われたブラジルのクラブがメキシコ勢に簡単に負けるケースを何度も見てきた(注・メキシコは北中米カリブ海連盟所属だが、毎年2チームが同杯に参加)。FWネイマール(26=パリSG)が足をすくわれるならここだろうね。

 ベルギーについては日本戦のところで触れるとして、フランスはまだ若さが目につくし、ポルトガルはFWクリスチアーノ・ロナウド(33=Rマドリード)がイラン戦のように封じられたら機能しなくなる。アルゼンチンはチームとしてのピークを過ぎ、FWリオネル・メッシ(31=バルセロナ)を生かしきれていないし、スペインも守備ラインが不安定で失点が多い。実績国に不安が多いので、決勝が意外な顔合わせになっても驚かないよ。