スペイン監督W杯直前解任のドタバタ

解任されたロペテギ監督(ロイター)

 ロシアW杯開幕(14日=日本時間15日)の前日にまさかの解任だ。スペインサッカー連盟は13日、W杯に出場する同国代表のフレン・ロペテギ監督(51)を解任したと発表した。W杯後に同国1部レアル・マドリードの監督就任が前日12日に発表されたことで、ルイス・ルビアレス会長が最終決断したという。後任は代表の強化責任者、元代表DFフェルナンド・イエロ氏(50)が就任したが、各方面に波紋が広がっている。

 スペイン各メディアによると、ロペテギ監督は5月22日に2020年までの契約延長にサインしたばかりだったが、12日に大会後のRマドリード監督就任が発表されたことで連盟側は不信感を募らせたという。

 W杯を目前に控える中、ルビアレス会長は「(監督就任は)公式発表の5分前に知らされたんだ。連盟が雇用している人物を求める中、まずは連盟と話さなければならない。それが普通だし、代表にとってW杯は最大の目標だから」とRマドリードと、ロペテギ監督の姿勢を強く非難。その上でW杯に臨むチームへの影響を考慮し、Rマドリードに発表延期を要請したが拒否されたという。

 今夏からJ1神戸でプレーする同国代表MFアンドレス・イニエスタ(34)ら主力選手たちからは「大会が終わるまで(解任は)待ってほしい」と懇願されたという。それでもルビアレス会長は「選手とも話し、新監督と全力を尽くすと約束した」「何をしても批判されるということはわかってるし、受け入れる」とコメントした。

 ただ、W杯開幕前日で1次リーグ初戦2日前というタイミングでの監督交代の影響は計り知れない。32か国の参加になった1998年フランスW杯以降、大会半年前までに指揮官を交代し、1次リーグ突破を果たした国はゼロ。優勝候補のスペインにとって何とも重いデータだ。初戦で対戦するポルトガルのメディアには「この状況を利用すべき」と敵国の騒動を歓迎する論調も見られた。

 また、自国の代表監督引き抜きが解任劇に発展したとあって、Rマドリードへの批判も高まっている。宿敵バルセロナ寄りのスポルト紙が「Rマドリードが代表にミサイル攻撃」と報じたのをはじめ、各メディアは「ロペテギ爆弾投下」「市民戦争勃発」と伝えた。一方で、Rマドリード寄りの各メディアは「ロペテギ監督をクビにしたルビアレス会長の責任」という見解で連盟側の決断を非難する報道が目立った。

 新監督に就任したイエロ氏は、13日(日本時間14日)に就任会見を開き「2日間で2年間やってきた仕事を変えることはできない。カギは最低限しか触らないこと。他のことを考えている時間はない。目的はW杯を戦うこと。選手たちはみな成熟している」と力を込めた。