2発“救世主”乾の可能性 本紙評論家・前園氏が語るドリブルの凄さ

前園氏は西野ジャパン初ゴールを挙げた乾を絶賛した

【オーストリア・インスブルック12日(日本時間13日)発】待望の救世主が現れた。14日(同15日)開幕のロシアW杯に臨むサッカー日本代表は国際親善試合でパラグアイに4―2と勝利。西野朗監督(63)の就任後、初勝利を挙げた。立役者はMF香川真司(29=ドルトムント)との“化学反応”で2ゴールを挙げたMF乾貴士(30=ベティス)だ。元日本代表MF前園真聖氏(44=本紙評論家)が希代のドリブラーのすごさを語った。

 天才ドリブラーがついに日本代表で結果を出した。0―1で迎えた後半6分、香川からのパスを受けた乾は得意のステップで中央に切り込み、右足を一閃。自身としては2014年11月のホンジュラス戦以来約4年ぶり、西野ジャパンにとっては待望の初ゴールを挙げた。続く18分には再び香川のパスから右足シュート。GKの手をすり抜けたボールはゴールに転がり、この日2得点でチームに勝利をもたらした。

 乾は「ゴールでホッとした。本大会にいい形で入れるのは確か」と話し「前半に外しまくっていて(ハーフタイムに)西野監督から『スパイクの中に何か入っているんじゃないか。親指のあたりを調べてみろ』と…。(それで)スパイクを替えたのが良かったんじゃないでしょうか。後半に2点なので、前半のスパイクは捨てようと思います」と笑顔を見せた。

 昨季スペインリーグで活躍もシーズン終盤に負傷。ロシアW杯に臨む最終登録メンバー入りも危ぶまれたが、好調だった選手を押しのけてまで選出してくれた西野監督の期待に応えた。そんな乾をかねて高く評価していた前園氏は「スペインで活躍している彼らしいゴールでした。積極的に仕掛けるプレーも多くあり相手の脅威になっていた」と絶賛した。

 この日のプレーについては「ケガで出遅れていましたが、試合を見る限りコンディションは問題ないでしょう。いい形でゴールしたのはもちろん、香川との距離感が非常に良かったですね。2人で局面を打開できていたので、チャンスも広がりました。以前から言っていたように香川と乾のコンビで化学反応を起こせたのではないでしょうか」と分析した。

 最も良かった点については「左サイドの縦の仕掛けです。失敗してもトライし続けていましたし、それを布石に、縦をおとりにして(ゴール前に)カットイン。まさに1点目の場面です。スペインでも得意としているパターンで、2点を奪った(17年5月の)バルセロナ戦でも同じような形から得点していますからね。それにサイドを広く使うのも良かった。スペースができますから」。

 この日の活躍で、日本代表で最激戦区と言われる左サイドのポジション争いでも他選手を大きくリードした。前園氏は「西野ジャパンの救世主と言えるんじゃないでしょうか。インパクトはありました。彼の存在が様々な相乗効果を生み出すと思いますし、香川も本来のプレーを出せると思います。西野さんが本調子ではなかった乾を選んだことも、これで証明できました」。

 日本代表は今年に入ってから結果、内容ともにふがいない戦いが続き苦境に立たされていた。待望のスター候補が出現し、W杯本番に向けて光明が見えてきた。