田嶋会長が語るFKキッカー問題「本田からボールを奪う選手出てこい!」

胸中を明かした田嶋会長

【直撃インタビュー・後編】14日(日本時間15日)開幕のロシアW杯に臨む西野ジャパンの現状を日本サッカー協会の田嶋幸三会長(60)はどう見ているのか。日本代表は大会前最後の国際親善試合パラグアイ戦(12日)に臨む中、協会トップは本紙インタビュー後編で、日本代表MF本田圭佑(31=パチューカ)の「FKキッカー問題」、MF香川真司(29=ドルトムント)の「10番問題」、MF長谷部誠(34=Eフランクフルト)の「主将問題」に斬り込んだ。

 ――西野ジャパンで復権した本田は「恐らく最後のW杯」と発言

 田嶋会長:うーん。日本代表メンバーは監督が決めるもので選手から「代表引退」というのは少しおかしな話かなとも思っている。香川、本田は、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、ACミラン(イタリア)でプレーしたけど、W杯に関しては満足できる成績を残していない。まずはその気持ちを大会で出してほしいし、彼らなら使命を果たしてくれる。(代表引退と言われるが)次の(2022年)カタールW杯にも出る覚悟で好パフォーマンスを発揮してほしい。

 ――その本田が正キッカーを務めるセットプレーで日本は不振が続く

 田嶋会長:キッカーは現場が決めることだけど、本田の次、彼に代わる選手が出てくるのか。「俺の方がうまい」と本田に主張する選手が出てくるべきだし、さらには本田からボールを奪って「オレに蹴らせろ」っていうくらいの選手が出てきてもいい。そこは新しい選手に期待したいな。ペナルティー(キック=PK)は技術だけで決められるものではないからね。(重圧をはねのける)度胸とかも大事になるので、しっかりとチーム内で決めればいい。

 ――日本代表の10番を背負う香川への期待は

 田嶋会長:彼にはドルトムント(ドイツ)とマンUって、すごいチームで積んだ経験とその意地をロシアで見せてほしい。ケガ明けで(1次リーグの)3試合すべてに出るのは難しいかな。60分とか残り10分とかでも、今までやってきたパフォーマンスを出してもらいたい。10番を背負っているからといって気負う必要はないし、他の選手も10番だからと気を使う必要はまったくない。香川だけではないけど、23人の選手それぞれがチームのために何ができるか。そして一枚岩にならないとW杯では勝てない。

 ――その香川は代表で大きな成果を出せずにアルゼンチン代表にタイトルをもたらせないFWリオネル・メッシ(30)の日本版とも言われる

 田嶋会長:そこは調子がいいときも、悪いときもあるから。でも(2013年)ブラジルで開催されたコンフェデレーションズカップのイタリア戦で好プレーを見せてくれた。あのときは彼にしかできないプレーだったからね。それに彼は海外の選手たちからリスペクトされているから違った意味での効果(おとりなど)があるかもしれない。それにどんな役割でも納得できる選手しか23人に入っちゃいけないし(サブで)ふてくされるような選手は代表に一人もいないと思っている。

 ――主将のMF長谷部誠への期待は

 田嶋会長:チームの中心的な存在。実績を含めキャプテンにふさわしい選手と受け止めている。逆にキャプテンという役割がピッチ上で負担になることがあってはいけないという心配もある。(監督解任などで)キャプテンとしてピッチ以外でプレッシャーをかけてしまうのは…。やはり選手はピッチ中心でないといけない。その意識を持って臨んでほしい。

 ――経験者たちに求めるプレーは

 田嶋会長:とにかく目の前の試合でベストパフォーマンスを出してほしい。最後まで諦めないし、ボールを奪われたら取り返しにいく。もちろん、フェアに戦う。フェアに戦えないのならばW杯に出る意味がないし、そこが日本サッカーの誇れるところだから。試合でズルしても何しても全部わかってしまう世界なので、最後まで日本らしいすがすがしいプレーをしてほしい。

☆たしま・こうぞう=1957年11月21日生まれ。熊本県出身。埼玉・浦和南高から筑波大に進学し、4年時には日本代表に選出。卒業後は古河電工サッカー部に所属した。その後はドイツ留学を経てU―16、17、19の各日本代表監督を歴任した後、協会の技術委員長に就任。2006年に同専務理事、16年に第14代の協会会長に選出された。15年から国際サッカー連盟理事も務める。