偉大なマー君に続き、米4大スポーツのひのき舞台を目指す。アイスホッケー男子で日本代表経験者の寺尾勇利(25)が引き続き北米の下部リーグ、ECHLのグリズリーズと2020~21年シーズンの契約を結んだ。

 20日にマネジメント会社を通じて正式発表され、最高峰・NHL(北米リーグ)のアバランチ傘下で3部に相当するチームから今季こそ〝ジャンプアップ〟を果たす決意も胸に秘めている。
「またチャレンジできることに感謝しながら、日本アイスホッケー界の代表としてさらなる成長と人格形成に努めたいと思います」とコメントした。

 19~20年シーズンもグリズリーズでプレーした。新型コロナウイルスの感染拡大で3月中旬に打ち切られるまで61試合に出場し、チーム2位の40ポイント(18得点、22アシスト)をマーク。07年にGK福藤豊が初めてNHLでプレーして以来「日本人2人目」の偉業を十分に狙える位置にいる。

 アジアリーグの栃木日光を経て本場の北米へ渡ると、173センチ、83キロの小柄な体形ながらスピーディーな動きで評判を高め「マジシャン」の異名とともに人気も博す。北海道・駒大苫小牧高のOBとしてヤンキースの田中将大投手(31)は先輩にあたる。

 それだけに「世界の舞台でも気持ちを強く持って自分のスタイルを貫き、さらには順応力の高い田中選手のことは心より尊敬しています。競技は違いますが、田中選手のような影響力を持てるよう、背中を追っかけたいです」と誓う。

 日本が誇る〝氷上の魔術師〟はNHL入りを果たせるか。その行方に注目だ。