【どうなる?東京五輪パラリンピック】延期をプラスに――。開幕が来年7月23日にスライドされた東京五輪で、新競技として採用されたスケートボード。男女ともにストリート、パークの両種目でメダル獲得の可能性を秘めているが、日本代表の西川隆監督(54)は本番に向けて「期待」と「不安」が入り交じる日々を送っている。

 緊急事態宣言は39県で解除されたものの、スケートボーダーが集う公共施設はまだ“解禁”に至っていないようで、西川監督は「そろそろという情報も入っているけど、いつからどこがというのはまだ。現状、(私営も含めて)都内で滑れると聞いているところはない」と話す。

 それでも、選手のモチベーションについては「高いと思う」と悲観していない。同競技は各種目20人の出場枠に対し、各国最大3人が代表権を手にできるが、日本勢はいずれも出場だけでなく、上位進出のチャンスがある。
 その理由として、女子に注目すると、パークは世界ランキング1位の岡本碧優(13=MKグループ)、ストリートは同11位の織田夢海(13=ムラサキスポーツ)、同15位の中山楓奈(14=ムラサキスポーツ)と10代前半の選手が名を連ねており、西川監督は「伸びしろに期待できる? それはあると思う。特に女子はどんどん進化しているから」と自信を見せた。

 一方、五輪予選対象大会はいつ再開するか分からない状況。仮に大会が再開したとしても「海外の渡航制限がどういう形で解除になるか、そこがちょっと心配」だという。「他の競技連盟も一緒だと思うけど、国によっては入国時にかなり厳しい条件を付けられる可能性がある」と場合によっては隔離の対象となることも危惧している。

 さらに、現在は68の国と地域がビザ免除地域だが「今後『必ずビザを』となると、開催日程が間近で決まった大会は手続きがギリギリになって、もしかしたら派遣できなくなる可能性も出てしまう。選手よりも予選がどうか心配」と不安を募らせた。

 西川監督は五輪の延期に「今の状況だとどうなの?という感じもある」と語りながらも、スケートボードが“お家芸”となる青写真を描いている。