“コロナエンブレム”に法的措置も辞さず 組織委の強硬姿勢のウラ

2020年05月20日 16時40分

【どうなる?東京五輪・パラリンピック(43)】さすがに度が過ぎたということか。東京五輪エンブレムと新型コロナウイルスのイメージを掛け合わせたデザインが日本外国特派員協会(FCCJ)の月刊誌「NUMBER 1 SHIMBUN」4月号に掲載されたことに関し、大会組織委員会は「誠に遺憾」と怒りの姿勢を表明。一貫して「取り下げ」を主張するなど事態は穏やかではない。

 五輪マークやエンブレムが風刺の対象になるのは今に始まったことではない。しかし、今回はコロナ禍で五輪史上初の延期という特殊な状況。本紙が既報した「マスクをして次の就職先を探す五輪マスコット」など多数のパロディー画像がネット上に出現しても黙認されてきたが、今回は一線を越えてしまったようだ。

 組織委は「多くの人々の感情、世界のアスリートに対する配慮を欠いた行為。著作権法上の著作権の侵害に当たる」とし、掲載の取り下げを要求。FCCJは「対応は検討中」としているものの、要求に応じなければ法的措置も辞さない構えだ。

 この事態について海外メディアの一人は「あくまで風刺」と訴えるが、多くは否定的。商標分野に詳しい三上真毅弁護士(49)は「営利目的でないため商標権侵害には当たらない」というものの、著作権法上は「問題アリ」とみている。

「デザインの外側はコロナの特徴に変えられているが、内側の市松模様はほぼ一緒。パッと見て東京五輪のロゴだと分かってしまう。個人がネット上で発表する程度なら著作権法の適用除外となるが、今回は私的利用の域を踏み出している」

 組織委の主張に正当性はあるにせよ、ここまで強硬姿勢を取るのはなぜか。別の弁護士は「最近はスポンサー以外の企業が巧みに五輪に乗っかって商品を宣伝するケースがある。だから多額のスポンサー料を払ってくれる企業への建前もあり、組織委は目を光らせている」と公式スポンサーへの配慮を指摘する。

 コロナ禍による1年延期で追加費用が必要な状況。その資金源となる“上客”を無視することはできない。徹底抗戦の裏にある異常なまでの「配慮」こそ、東京五輪の非常事態ぶりを如実に示している。