IOCの700億円追加負担発表で注目される武藤五輪組織委・事務総長の会見

2020年05月16日 16時40分

 もし中止になったら…。この質問が今、1年延期となった東京五輪関連の会見で“定番”になりつつある。現在、東京五輪に関して大会組織委員会は週2回リモート会見を行っている。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66)が大会運営費として6億5000万ドル(約700億円)の負担を表明したため、注目を集めた武藤敏郎事務総長(76=顔写真)の会見(15日)には約200人のメディアが参加し、費用に関する質問が大多数を占めた。

 一方で海外メディアは「もし来年開催できなければ中止か?」とも尋ねた。緊急事態宣言が発令されて以降、会見で必ず出る質問だが、世界的な新型コロナウイルス禍の終息が見通せない中で「そもそも開催できるの?」と根本的な疑問を抱いているからだ。しかし組織委は決まって「来年の大会成功にあらゆる努力をする」と回答。この日も武藤事務総長は「仮定の質問にはお答えを差し控えさせていただきたい。我々は予定通りの開催を前提に全力を尽くしたい」と表情ひとつ変えずに答えた。

 メディアもあの手この手で質問内容を変化させ、他の記者は「来年の開催にどれくらい自信があるか?」と聞いたが、武藤氏は同様の回答を繰り返すばかり。さらに2022年北京冬季五輪にも「五輪に対する世界の注目が高いレベルで維持され、22年につながっていく。北京の組織委にとってもアドバンテージになるのではないか」と、驚くほどポジティブだ。

 延期が決まる直前、組織委の“親分”森喜朗会長(82)は一貫して通常開催を主張。延期が決定的になった瞬間に「我々は最初の(計画)通りやるほど愚かではない」と手のひらを返した。今回、その再現とならないことを祈りたいが…。