全国高等学校体育連盟(全国高体連)はウェブによる臨時理事会で、今夏に東北から九州の21府県で分散開催される予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止を決定。競技のほか移動や宿泊による新型コロナウイルスの感染リスクを考慮し、生徒らの安全を最優先に判断した。1963年から始まった同大会の中止は史上初めてだ。

 夏季のインターハイは部活動の集大成の場として陸上、水泳、体操など30競技の高校日本一を決める大会。今回の判断は今夏の全国高校野球選手権大会(甲子園)の開催にも影響を与えそうだ。先日、スポーツ庁の鈴木大地長官(53)は「これまでやってきたことを発揮する場がなくなるという非常に悲しい部分もある」と話したが、特に高校3年生は最後の舞台が奪われることになる。

 関東地区の高校体操部関係者は「3年生の気持ちを考えると胸が痛い」と肩を落とし「大学にスポーツ推薦で行く生徒にとってインターハイは大きなウエートを占める。特に3年生で成長した選手はここが勝負だった」とシビアな現実を語る。

 進路に影響を与えるばかりか、未来の五輪アスリートの人生を左右しかねない。今後は大学側との協議になるが、前代未聞の事態だけに混乱は必至だろう。