【NBA】日本でなじみのないゲーム「HOUSE」をわかりやすく解説

2020年04月21日 11時00分

ジャズのマイク・コンリーが「HORSEチャレンジ」で優勝(ロイター=USA TODAY Sports)

【KJ松井のCatch&Shoot(14)】新型コロナウイルス感染拡大の影響で米プロバスケットボールNBAは中断が続いている。そうした中で米スポーツ専門局「ESPN」の主催による「HORSE(ホース)チャレンジ」が開催され、話題を集めた。これは1対1でスキルを競うものだが、日本にはなじみのないこのゲームを本紙バスケット評論、Bリーグ・京都ハンナリーズの松井啓十郎(34)が解説。さらにもう一種類、ポピュラーな勝負を紹介する。

 現役だけではなく、引退した人や女子のWNBA選手も参加した「HORSEチャレンジ」(今回の企画では各自の自宅からオンラインで参加)はマイク・コンリー(32=ジャズ)が優勝。左利きですが、右手でもスリーポイント(3P)が打てるスキルの高さが決め手になりました。とはいっても普通に1対1で勝負をしたわけではないので、いまひとつ内容がわからなかった方もいたと思います。

 まずは先攻と後攻を決め、先攻が「こういうシュートを決める」と宣言します。「シュート」は、体格差で有利不利が出るダンク以外ならOK。目を閉じてフリースロー、バックボードの後ろから打つなど、試合では見られないトリックショットをいろいろと見せてくれました。

 先攻が成功したら、後攻は同じシュートに挑戦。成功すれば引き分けで、先攻が次のシュートに挑戦します。後攻が失敗すると負け。「HORSE」の最初の「H」を科されます。逆に先攻が失敗すると立場は入れ替わり。後攻だった人が先攻となり、自分の好きなシュートを宣言して、同じことを繰り返します。こうして負けると文字が1つずつ増えていき「HORSE」が完成してしまうと、敗戦となります。

 スキルを競う「HORSE」は米国では子供のころから誰でもやっていますが、もう一つポピュラーなものに「ノックアウト」があります。これはフリースロー(3Pのこともあります)ラインから10~20人が並び、勝負するのは先頭と2人目。どちらが先にシュートを決めるかの競争で、一発で決めるか、外してもリバウンドを取って先に決めると「勝ち」で3人目にボールを渡して列の最後尾へ。「負け」の人は勝負から外れます。

 このように常に列の先頭と2人目の人が勝負を繰り返し、敗者が抜けて人数は減っていきますが、勝ち続けるほどシュートを打ち、外すと走ってリバウンドを取りにいくので、運動量は多くなります。

 勝負事において日本では成功すると勝ち抜けし、負けた人が最後まで残ることが多いですが、米国には「負け残り」の文化はありません。トーナメント戦もプレーオフも強いチーム(人)は勝ち進むほどたくさんプレーします。最後に残るのは強い人。こうして遊びの中に競争を取り入れて「勝負強さ」を身につけていくのです。

 ☆まつい・けいじゅうろう 1985年10月16日生まれ。東京都出身。バルセロナ五輪の「ドリームチーム」を見た父親の勧めで小学1年からバスケットを始め、6年時にはイベントでマイケル・ジョーダンと1対1で対戦した。高校から米国に渡り、コロンビア大学では日本人男子で初めてNCAA1部でプレー。卒業後は帰国し、今季から京都に加入。ニックネームの「KJ」は、米国で「けいじゅうろう」を覚えてもらいにくいために使い始めた。188センチ、83キロ。