日本サーフィン連盟 超速対応で新型コロナ感染の波を乗り切ったワケ

2020年04月07日 11時00分

宗像富次郎副理事長

【どうなる?東京五輪パラリンピック(10)】“即断即決”の裏には――。新型コロナウイルス感染拡大の影響で東京五輪が1年延期になったことを受け、各競技団体は強化活動に頭を悩ませている。そうした中で、日本サーフィン連盟は事務局がいち早く時差出勤やテレワークを導入。感染症の予防を徹底して注目を集めた。感染拡大では予断を許さない状況が続くが、強化担当の宗像富次郎副理事長(58)が本紙の取材に応じ「スピード感の重要性」と「アスリートへの思い」を打ち明けた。

 新型コロナの感染者は日に日に増加している。東京五輪は来年7月23日開幕に決まったが、ネット上では「五輪どころではない」との意見が少なくない。各競技団体は代表選考がストップして、強化活動もままならない状態だ。

 ただ、日本サーフィン連盟は“感染パニック”を想定していたかのような対応を見せて、注目を集めた。事務局は2月中旬には時差出勤を導入して、同25日にはテレワークを開始。当時、プロ野球はオープン戦、Jリーグはルヴァンカップ、他にも国内外で競技会が開催されていたことからも、スポーツ界ではいかに初動が早かったのかが分かる。

 なぜ、迅速に対応できたのか。宗像副理事長は「選手は自由気ままというか、サーファーはそういう人が多いので『日本サーフィン連盟はこういうことをやっているんだ』と示した」と話した上で「選手の問い合わせに『3密(密閉、密集、密接)』をしないようにと言っていたが、我々もそうすることで選手が理解、納得してくれると思った」と説明した。

 宗像氏は本紙が報じたように「追加競技の立場なので選手、関係者にもし感染者が出てしまったら、実績ある競技団体からどんな目で見られるか分からない」と語っていた。それだけに「やはり、うち(同連盟)から出ないことが一番だから」との思いが強かったようだ。

 ただし、今後の活動に不安がないわけではない。日本勢は金メダル候補の五十嵐カノア(22=木下グループ)が五輪出場権を手にし、村上舜(23)、松田詩野(17)は条件付き内定という状況。宗像氏は「これからの強化スケジュールをどのようにしていけばいいのか。いかにモチベーションを下げないようにするかということをかなり考えている」という。

 ただ、選手側は「練習する時間ができました」「頑張ります」と前を向いており「気を抜かないように頑張ろうと啓発していて、あとは直接連絡を入れたり、正しい情報を伝えることは注意してやっている」(宗像氏)。

 新競技ということで教育にも注力し、五輪内定を含む71人の強化指定選手にはドーピングや一般常識をテーマにした講習を兼ねた強化合宿を計画していたが、いつ実施できるかは未定。それでも、連盟サイドは現場の“模範”として1年3か月後まで精力的に動き続ける覚悟だ。