五輪延期費用6000億円の調達 ウルトラCF作戦!?

2020年03月31日 16時40分

【どうなる?東京五輪・パラリンピック 緊急連載(5)】 一難去ってまた一難…。新型コロナウイルス感染拡大で史上初の延期が決まった東京五輪・パラリンピックの「新日程」がついに決定。五輪開幕は来年7月23日となり、一つの大きなヤマを越えたが、次なる課題も相当に厄介だ。延期による追加費用は数千億円にも上ると言われ、莫大な資金をどこから得るのか。スポンサーからの追加拠出も確約できず、費用問題の解決が急務となる中で、スポーツマネジメントの専門家からはコロナ騒動を逆手に取った“ウルトラCF作戦”も浮上している。

 延期決定直後からアスリートが「早く決定を!」と訴えていた新日程が決まった。大会組織委員会の森喜朗会長(82)と国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66)の緊急電話会談により、五輪が2021年7月23日~8月8日、パラリンピックが同8月24日~9月5日で合意に至り、最大の難問は解決した。

 来春開催や5月開催の案もあった中で森会長は「新型コロナウイルスの状況も勘案すると、夏のほうがメリットが多いと判断した」と話したが、安心するのはまだ早い。観戦チケット、ボランティアなどの運営面、会場の確保など事務的な決定事項が山積しているが、特に追加費用問題は無視できない。全42競技会場の借り換え費用、組織委職員の人件費などを合計すると気が遠くなる費用がかかる。まだ具体的な数字を組織委は把握していないが、一説には6000億円に上るとも言われる。

 さらに「機会損失」もバカにならない。すでにメディアセンター仕様に改造されている東京ビッグサイト(東京・江東区)はこの先1年分の展示会ビジネスによる収入が吹っ飛び、機会損失2・2兆円との試算もあるのだ。そんな中、スポーツマネジメントに精通する早大スポーツ科学学術院の原田宗彦教授(66)は「とにかく組織委は1年間、攻めの経営でお金を生み出さないとダメ」と指摘。それを踏まえ「クラウドファンディング(CF)」を提案する。

 ネット普及とともに世に出た「CF」は群衆(クラウド)から資金調達(ファンディング)する手段。ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏(47)らも多用しており、現代に即した“カネ集め”として知られる。原田教授は「日本国内ではなくグローバルスケールでCFをやる。そこにIOCをうまくかませればいいんじゃないか」と言い、こんな妙案を繰り出した。

「このCFでしか手に入らない1個2万円の“五輪マーク付きスペシャルピンバッジ”などを見返り品にしたり、世界がコロナ感染症を克服したことを意味するSDGs(持続可能な開発目標)付きの記念マークなどを作って資金を集める。人類がコロナに打ち勝ったという壮大なキャンペーンを張り、マーケティングをして何百億円か集められれば。そのマークを利用する権利をIOCが特例として認めてくれれば実現できますね」

 組織委の理事会では1年延期によるアスリートの遠征費や強化費のケアも話題に上ったが、原田教授は「このCFで得た資金を世界中のアスリートに還元してもいいのでは」。追加資金のカギを握る五輪スポンサー企業の契約延長、追加拠出金は、新型コロナ禍で世界の経済に深刻な影響が出ているだけに不透明。この作戦は意外と奏功するかもしれない。