五輪開催に強気一辺倒な武藤事務総長の“後ろ盾”

2020年03月18日 16時40分

取材に応じる武藤事務総長

 根底にあるのは“覚悟”か、それとも“意地”か。約4か月後に迫った東京五輪について、大会組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)が改めて「通常開催」を強調し続けている。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響は認めながらも「関係機関と緊密に連携し、安心、安全な大会に向けて準備を進めていく」。共同通信社の世論調査では約7割が「開催できないと思う」と回答し波紋を呼び(本紙昨報)、ネット上では「延期」の声が大勢を占めている。それでも武藤氏は「国民にはいろんな意見があるのはその通りだと思う」と理解を示しつつ「そういう声がずっと続くものなのかどうか。事態は刻々と変わっているから、また世論も刻々と変わっていく可能性がある」と持論を展開した。

 これは国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(66)が開催に前向きなことや安倍晋三首相(65)が先進7か国(G7)首脳とのテレビ会議で開催実現を宣言したことが大きな“後ろ盾”となっているようで、武藤氏も「現状はIOC、政府当局、開催都市の予定通りやっていくというのが、我々の考え方と一致している」と自信をみせる。

 しかし、五輪のスタートを印象づける聖火リレーは満足した形になりそうもない。ギリシャ・アテネで19日に行われる五輪の聖火引き継ぎ式には日本からの代表団の派遣を見送った。聖火リレーは大会を盛り上げるイベントだが、福島、栃木、群馬に関しては過度な密集を回避するためゴール式典の無観客化、沿道での観戦自粛に加えてランナー交代も検討している。これでは世間の悲観的な声をひっくり返すのは到底難しい。

 開催判断のリミットについても武藤氏は「断定的なことを申し上げるつもりはない」。世間との“温度差”は広がるばかりだ…。