【競歩】日本はなぜ“競歩大国”になったのか

2020年03月16日 16時40分

五輪代表に内定した池田向希、左は2位の高橋英輝、右は3位の鈴木雄介

“黄金時代”到来の裏には何があったのか。東京五輪の陸上競技で日本のメダル獲得が確実視されているのが競歩だ。

 昨年の世界選手権ドーハ大会では、高い気温と湿度という過酷な環境にもかかわらず、男子50キロで鈴木雄介(32=富士通)が金メダルを獲得すると、続く同20キロでも山西利和(24=愛知製鋼)が優勝し“競歩ニッポン”を強烈に印象づけた。

 その結果、現在の男子世界ランキングでは鈴木、山西がそれぞれの距離で1位に君臨。さらに20キロでは、全日本競歩能美大会(15日)で優勝して五輪切符を得た池田向希(21=東洋大)が4位、準優勝で内定を決定的にした高橋英輝(27=富士通)が5位にランクされており、世界の強豪国と言っていい状態だ。

 素人目には急に強くなった印象があるが、日本陸連の今村文男五輪強化コーチ(53)は「継続的に強化をしてきた成果」と明かす。
「上位にいくには技術が必要だし、技術があっても速くないといけない。細かな個々の分析をしながらの、所属先と連盟の強化がうまく連動してきた」と言い、つまりは地道な努力のたまものだという。

 コツコツと研さんを重ねるのは、日本人が得意とする分野。また、必ず片足が地面に接していなければならない競歩は、はやる気持ちを抑えながら歩くため「忍耐」のイメージがマラソン以上にある。競技的にも日本人向きなのではないか。

 この点に関しても、今村コーチは「確かにそういうのは継続性(という意味)ではあると思う」と笑顔。東京五輪ではメダル獲得の期待が高まるが「1分1秒を争うしのぎを削っていくような競技。準備とレース戦術をしっかりと立てながら、やっていかないといけない」とあくまでも挑戦する立場を強調した。

 体力勝負だけではなく技術面、戦術面を日本人らしく磨き、世界のトップクラスに上り詰めてきたということか。これまで五輪での最高順位はリオ五輪男子50キロ代表で荒井広宙(31=富士通)が獲得した銅メダル。札幌の本番ではメダルの色を金に塗り替える。