【バドミントン全英OP】福島、広田組 ペア格差解消し日本女子初優勝の快挙

2020年03月16日 16時40分

福島と広田(左)は表彰台でも自信に満ちた表情だった(ロイター)

【英国・バーミンガム15日(日本時間16日)発】今年で110回目を数える伝統の大会で日本勢がアベックVの快挙だ。バドミントンの全英オープン最終日、男子ダブルスで世界ランキング6位の遠藤大由(33)、渡辺勇大(22=日本ユニシス)組がこの種目で日本勢初優勝。女子ダブルスでも世界ランキング3位の“フクヒロペア”こと福島由紀(26)、広田彩花(25=アメリカンベイプ岐阜)組が見事に初優勝した。快挙の裏では、両極端な性格の2人の関係性にちょっとした変化があったという。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界中のイベントが中止になる中、伝統の大会は最終日(15日)まで観客を入れて通常開催。杜ユエ(22)&李茵暉(23)の中国ペアを2―0のストレートで下し、福島はコートにうずくまって歓喜。「いろいろな状況の中で110回目の全英オープンが開催され、ここで試合できてすごくうれしい」と笑顔で話した。

 実力拮抗の女子ダブルス日本勢。4年前はリオ五輪金メダルのタカマツペアこと高橋礼華(29)、松友美佐紀(28)組(日本ユニシス)が抜きんでていたが、いまや立場が逆転。フクヒロは今大会でもタカマツを撃破している。この急成長の要因はズバリ、広田の精神的自立だ。

 1月下旬、フクヒロは岐阜・下呂市のチーム合宿に参加していた。日中はハードな練習をこなし、夜は下呂温泉でリラックス。「温泉も旅館のご飯も最高!」と満喫した広田は、1つ上の先輩の福島についてこう口にした。「以前は自分が基本的に聞く側で『ハイ』って言うだけ。でも自分も意見を言わないと相手も分からないって気づいた。コミュニケーションは前より増えていますね」

 感情を表に出す福島に対し、広田はおっとりした癒やし系。以前は福島にやや萎縮していたが、今は「私はこう思います」とはっきりと物申せるようになった。2人の同僚も「最近はコートでよく話し込んでいる」と本紙に証言する。ペアの関係性は「対等」になったのだ。昨年の夏場、あまりのふがいなさに所属の今井彰宏監督(50)から練習中の体育館で雷を落とされたこともある。「ダメダメ過ぎたので(笑い)。自分で奮い立たなきゃ誰が戻すんだって思い、殻を破るしかないって思いました」。相手に対して一歩も引かないメンタルを手に入れ、ペア内の“格差”を解消。見事にビッグタイトルを手にしたのだ。

 新型コロナの余波で4月12日までワールドツアーは中断されるが、フクヒロは東京五輪出場がほぼ確実。広田の成長により金メダル獲得は現実味を帯びてきた。