突然の「五輪2年延期」案を否定した森会長 火消しに躍起でささやかれる背景事情

2020年03月12日 16時40分

ブチ切れた森会長(ロイター)

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、ブチ切れた。

 東京都内で11日に取材に応じ、同組織委の高橋治之理事が米紙「ウォールストリート・ジャーナル」で新型コロナウイルスの感染拡大に伴い予定通りの五輪開催を断念する場合、「1年か2年延期が現実的な選択肢」と発言したことに「驚いた。とんでもないことをおっしゃった」と不快感をあらわにした。

 この日、病院にいたという森会長は、急きょ火消しに奔走。高橋氏と電話で話し「大変申し訳ない。ちょっと口がすべってご迷惑を掛けた」と謝罪を受けたことを明かしたうえで、自身は「悲観的なことは一切考えていない。簡単に1年2年延ばしましょうと言ってできるものではない」と延期論を全否定した。

「(IOCの)バッハ会長も『火に油を注ぐことはやめてほしい』と言っている。私に言わせれば“ガソリンをぶちまけることは高橋さん、やめなさいよ”という感じ」とクギを刺した。

 組織委内で足並みが揃っていないのだから末期的。国民の不信感は募る一方だろう。

 森氏が火消しに躍起になるのには理由がある。一つは自身の健康面だ。

 テレビ画面を通しても森氏の体調は万全とは言い難い。ある政界関係者は「森氏はかねて『東京五輪をこの目で見ないと死ねない』と言っていた。延期となれば、健康面で不安な面も出てくる」と話す。

 もう一つは一部週刊誌で報じられた五輪利権の継承だ。森氏は五輪で見込まれる剰余金数百億円の受け皿となる財団をつくろうと画策中。五輪が延期されれば、その計画に狂いが生じるばかりか、コスト増大による剰余金の減少が容易に想像できる。

「森氏は『東京五輪で俺の役目は終わり』と言っているが、本音は別だろう。やろうとしていることは巨大利権団体をつくり、それを手中に収めることでしょう」(永田町関係者)

 いつでも振り回されるのは国民だ。