【バドミントン】桃田賢斗 マレーシア死傷事故後初の会見で男を爆上げ

2020年03月07日 16時40分

桃田の眉間の傷痕は目立たない程度になっていた

 超異例の決断だった――。1月に遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれて大ケガを負い、先月末から練習を再開していたバドミントン世界ランキング1位の桃田賢斗(25=NTT東日本)が、事故後初めて会見を開いて胸中を激白。会見の最後は拍手に包まれたが、言わずもがな現在は新型コロナウイルスの感染拡大の真っただ中にある。全国各地でさまざまなイベントが中止・順延になる状況で、あえて開催に踏み切ったのはなぜか? 舞台裏に迫った。

 なぜ、今? 6日にテレビで生中継された桃田の会見を見て、そう感じた人も多いのではないか。

 桃田は「文章では(コメントを)出していたけど、実際に自分の言葉で伝えられなかった。皆さんの前に出て感謝の気持ちを伝えたかった」と理由を語ったものの、時期をずらす選択肢もあったはず。新型コロナウイルス禍で各地のイベントが中止となる中で、東京・新宿区の大都心の会見場には、100人以上の報道陣が“濃厚接触”の状態だ。NTT東日本ほどの大企業がいったい、なぜこの時期に会見を設定したのか。

 実はこれまで同社は幾度も会見時期を模索してきた。帰国後、日本で精密検査を受けて「異常なし」と診断され、日本代表合宿に参加した際の2月4日が最もベストなタイミングであったが、その後の再検査でまさかの「右眼窩底骨折」が発覚。これで完全に時機を逸し、約2か月も桃田は“貝”にならざるを得なかった。そこへきて新型コロナ騒動…。もはや公の場で話す機会は閉ざされたが、全国のファンから激励の言葉をもらった桃田は感謝の気持ちがあふれ、我慢できずに会社側を説得したという。

 同社の関係者は「これまでは会社側が会見の話を提案しましたが、今回は新型コロナの件もあり、我々はむしろブレーキを引いていました。『ホントにこのタイミングでやるの?』って何度も確認しましたが、彼の強い意思で押し切られましたね」と明かした。熱意にほだされた同社は「やるからには万全の態勢で」と、報道陣にマスク着用を義務づけ、受け付け時の検温とアルコール消毒を徹底。異例の厳戒態勢で会見が実現したのだ。

 もう一つ、桃田は会見で同社の一抹の不安をきれいに消し去った。同社が最も恐れていたのは、骨折していた桃田が帰国時の精密検査で「異常なし」と診断されたこと。診察したのは身内のNTT東日本関東病院(東京・品川区)だ。ややもすると“見落とし”と疑問の目を向けられかねない中で(本紙既報)、桃田は当初の診断結果に対する不信感や後ろ向きの発言は一切せず、むしろサポートしてくれた関係者への感謝を何度も口にした。「五輪金メダル」まで宣言し、ラストは会場の関係者・報道陣すべてが拍手を送る感動的フィナーレ。同社の唯一の心配は杞憂に終わったばかりか、大成功で幕を閉じた。

 2016年リオ五輪の直前には違法賭博問題が発覚。同社に多大な迷惑をかけながらも契約を解除されず、逆に手厚くサポートされてきた。その言葉に尽くせぬ感謝の気持ちが、“強行開催”した会見に詰まっていた。