プロレス「スターダム」大会中止波紋 恐怖新型コロナに東京五輪緊迫

2020年02月19日 16時40分

「スターダム」が6大会の中止を発表

 新型コロナウイルスの猛威がスポーツ界を縦断している。日本全国あらゆるスポーツ団体が感染拡大の余波を受ける中で、プロレス界にも影響が及んだ。女子プロレス「スターダム」は6大会およびファンイベントの中止を決定。他団体も対応に追われる穏やかではない状況になってきた。となれば…今夏の東京五輪も例外ではないだろう。開催を危ぶむ声まで飛び交っているが、本紙は国際オリンピック委員会(IOC)の委員を務める渡辺守成氏(60)を直撃。五輪を巡る国際情勢を聞いた。

 スターダムは22日の大阪・176BOX大会から、3月14日の大阪・世界館大会(昼夜)まで6大会を中止することを決めた。ワールド王者・岩谷麻優の27歳のバースデーイベント(19日)やファンイベントも、中止と延期が決定。ただし3月8日の東京・後楽園ホール大会は無観客試合とし、動画サイトで配信される予定だ。

 同じブシロードグループの新日本プロレスはホームページで対応策を発表。「今後の大会開催可否を含めた検討を行っております」としながらも「現段階におきましては今後の大会は予定通り行う計画」とした。体調チェックやマスク着用、会場設置の消毒液の使用を呼びかけた上で撮影会など各イベントは中止。一方、全日本プロレスやノアは現時点で予定通り興行を開催する。

 もちろん感染拡大の影響はプロレス界にとどまらず、スポーツ界全体に広がっている。東京マラソン(3月1日)で一般ランナーの参加中止は大きな波紋を呼んだが(本紙昨報)、大相撲春場所(3月8日初日、大阪府立体育会館)を控える日本相撲協会の関係者も「いろいろな対策が必要。内容は現在検討中」。21日開幕のJリーグでは来場者にマスク着用を呼びかけ、入り口やトイレに消毒液を設置。村井満チェアマン(60)は「動向を見守りたい」と話し、18日の実行委員会でも今後の対応策を協議した。

“新型コロナ禍”は混迷の度を深めるばかりで、このままでは負の連鎖が東京五輪にも及びかねない。すでに一部で「五輪自体が中止になるのでは?」との臆測も飛び交っている。先月末にネット上で拡散した際には関係各所が一斉に否定し「デマ」で片づけられたが、現状はどうなのか。日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(62)とともに日本に2人しかいないIOC委員を務める渡辺氏に五輪を巡る情勢について聞いた。

 現在セネガルに滞在中の渡辺氏は「IOCは国際機関なので世界保健機関(WHO)に歩調を合わせる」と前置きした上で、東京五輪と新型コロナウイルス蔓延の現状についてこう語る。「IOCは心配しています。ただ五輪までに期間もあり、様々な対策で乗り切れると思っています。もちろん私もそう思っています」

 同氏は国際体操連盟の会長で東京五輪ボクシング運営を担う特別作業部会の座長も務める。ボクシングのアフリカ五輪予選(セネガル)に向けても「ボクサーと役員は20日前に開催国または他国に入国させ、発病しないことを確認した上で大会に参加させている。多国籍に(感染が)蔓延した場合、様々な知見を集めてプランA、B、Cをつくっていく次のステップに入る」と念入りだ。

 五輪開催に関して悲観の様子を一切見せない渡辺氏は「トップアスリートは長い年月をかけ、ピンポイントで五輪にコンディションを合わせてくる。特にボクシングや体操などの体重コントロールが必要なスポーツは単純に延期できません」と持論を述べた上で「恐れることは最終手段。私は選手たちのためにギリギリまで対応策をチャレンジしてあげたいと思っています」と強い口調で語った。

 本番まで残り5か月。世界が注視し、予断を許さない状況に変わりはない。果たしてこの結末は――。

【感染しやすい人種1位は日本人?遺伝子を解析】こんな“見解”も飛び出した。先日、世界中の遺伝子を解析している「1000ゲノム・プロジェクト」が新型コロナに感染しやすい人種別ランキングともいえる数字を発表したが、解釈によっては日本人がもっとも感染しやすい…と指摘する声が台湾などで上がっている。

 人種や居住地域によって、病気のかかりやすさは異なるといわれる。新型コロナウイルスはACE2と呼ばれる人の受容体に結合し、人の細胞内に侵入するとの見方があり、このACE2の濃度をランクにしたものだ。

 それによると、1位は日本人(東京)、2位は中国人(南部)、3位は東アジア人、4位はベトナム人、5位は中国人(北京)、6位は中国人(雲南省)としている。

 SNSやメディアでこのデータを解説する台湾の蘇一峰医師は「学術雑誌に投稿される前の査読段階」としたうえで、上位人種は群を抜いてACE2濃度が高く、軒並み低い欧米系より感染リスクが高いとしている。確かに日本をはじめ、アジア各国は今回の感染者数でも上位で、欧米系は少ない。

 興味深いのは同じアジア圏でもインドだ。感染者数は3人で、武漢から特別機でインドに帰国した約650人全員が陰性だったことで「カレーのスパイスが有効では」「ラッシーでは」などと騒がれた。ランキングでは、インドを含む南アジア人は12位。ACE2濃度は日本人の92%に対し、72%しかなかった。