競歩でも“厚底靴フィーバー”来る?

2020年02月17日 16時40分

山西は積極的なレース運びで快勝。シューズは“非厚底”だった

 競歩が“厚底靴フィーバー”に乗る日は来るのか。昨年の世界選手権20キロ競歩で優勝し、すでに東京五輪代表を決めている山西利和(24=愛知製鋼)が日本選手権20キロ男子(16日)で、1時間17分36秒のタイムで初優勝を飾った。「このメンバー、このレースで勝ちたいという気持ちだった」と振り返り「力はついてきていると思うので金メダルはもちろん、自分の理想に向かってトレーニングを積んでいければ」と先を見据えた。

 昨年の世界選手権ではドーハの灼熱、今大会では気温11・5度の雨の中で勝ち切る強さを見せつけた山西の足元を飾るのは、ミズノ製のランニングシューズ「WAVE EMPEROR」。多くの競歩選手から支持を集めるが、一般の長距離ランナーも使用する“普通”のシューズだ。

 一方でマラソンや駅伝ではナイキ社の厚底シューズが席巻しているが、山西を指導する内田隆幸コーチは「走る人にはバネが利いとるからいいが、競歩は反則を取られる可能性があるので難しい」。競歩では両足が同時に地面から離れると「ロス・オブ・コンタクト」という反則を取られるため、反発力の強い厚底シューズを履く選手はいないという。

 競歩の強豪でもある東洋大陸上競技部の長距離部門・酒井俊幸監督も「競歩はかかとからちゃんと入るんで、設定が違う。体も浮いちゃうので、なかなか履く子はいない」。

 では、この先も競歩に厚底シューズが取り入れられることはないのだろうか。酒井監督は「厚底はランニングに向けた形だから。競歩に特化した厚底を作れば、なくはないんじゃないか」と本紙に指摘した。

 そもそも開発、製品化がなされるのは需要があってのこと。マラソンでは厚底シューズを履く大迫傑(28=ナイキ)、設楽悠太(28=ホンダ)らの活躍が人気に拍車をかけた。それだけに山西が東京五輪で金メダルを獲得してブームを巻き起こせば、競歩に特化した新シューズが作られる可能性もある。そうなれば競歩でも“厚底狂騒曲”となるかもしれない。