東京五輪のチケット春期販売 実は落とし穴だらけ

2020年02月13日 16時40分

 果たして「公平」と言えるのか!? 東京五輪・パラリンピックのチケット春期販売の概要が発表され、今回は過去のインターネット抽選から一転して「ハガキ」「窓口販売」という超アナログな仕組みが採用された。ネットが苦手な高齢者への配慮、早い者勝ちではなく整理券導入…と一見すると平等だが、システムを子細に調べれば意外な“落とし穴”が次々に露呈。思わず「マジか?」と言いたくなるほど、ツッコミどころ満載となっているのだ。

 第1、2次抽選はパソコンを使いこなせない年配者が寂しい思いをしたが、今回はアナログ世代に優しい。希望者はハガキに必要事項を記入し、五輪チケットは20日~3月12日(必着)の期間内に「東京2020大会観戦チケット整理券事務局」まで申し込む。抽選の当選者に整理券(当選通知)が届き、4月28日~5月7日(五輪)に東京・千代田区の「東京2020チケットセンター有楽町」で購入する仕組みだ。整理券には日時、番号が記載され、その順番に従って窓口へ案内されるため“早い者勝ち”ではない。老若男女が同条件で参加できることになり「平等」と言えるはずだが…早くも「公平じゃない!」との声も上がっている。まず販売所が1か所(東京・有楽町)だ。交通費を考えても遠方の人には優しくない。何とか足を運んでも番号順に売られるため自分の番で希望チケットが売り切れている可能性も十分。在庫状況を確認する手段は公式サイト上というのも、高齢者にとっては厳しい。

 さらに、当選者には「日付と日時」がピンポイントで指定される。当然、昼間に割り振られたら学生やサラリーマンは学校や仕事を休まなければならない。大会組織委員会の鈴木秀紀マーケティング局次長(56)は「私どもは学校を休むことは推奨しません。制約の中で各自ご判断いただきたい」とのことで、“現役世代”にとっては頭が痛い。どうしても指定日時に購入できない場合は予備期間を設けることを検討中というが「全員が集中すると対応できなくて…」(鈴木局次長)と歯切れが悪い。規則の「盲点」も浮かび上がる。同一人物による複数当選は無効になり、必ず当選した本人が身分証明書を持参して購入しなければならない(未成年、障がい者は保護者、同伴者可)。別人と分かれば“門前払い”となるものの、今回は「年齢制限」がない。極端な話、生まれたばかりの赤ちゃんの名前でハガキを送って当選しても「保護者の方がお子様と一緒に来られるなら、理論上は0歳児も可能です」(鈴木局次長)。ある意味、家族が多い人ほど有利ということなのか…。

 新型コロナウイルスの影響も無視できない。販売時期は2か月以上先とはいえ、1日平均約500人の老若男女が一つの場所に出入りするとなると心配は尽きない。しかも販売期間はゴールデンウイークと丸かぶりで、ただでさえ交通機関や街中に人があふれ返る。鈴木局次長は「今、情報収集しており、状況を踏まえて検討していく」と語るが、仮に感染拡大が続いていたら…。「ネットのほうが安全だった」という皮肉な結末だけは避けたいところだ。