出口の見えないスポーツクライミング“係争” 五輪代表選考基準が混沌

2020年02月08日 16時40分

野口と楢崎(右)は東京五輪代表に決まっているが…

 スポーツクライミングの東京五輪代表選考に関して、日本山岳・スポーツクライミング協会と国際スポーツクライミング連盟の“係争”が膠着状態となっている。

 昨年11月の日本協会の発表によれば、国際連盟が正式な説明をしないまま選考基準の解釈を変更。日本は最大で男女各2人が代表枠を確保できるが、同8月の世界選手権7位以内で日本選手最高位の楢崎智亜(23=TEAM au)、野口啓代(30=同)、同じく7位以内で日本選手2番手の原田海(20=日新火災)、野中生萌(22=XFLAG)以外の選手の選考機会が奪われる形となったという。

 当初は前述の日本選手最高位で1枠、複合ジャパンカップ(CJC=5月、盛岡)優勝者に1枠が与えられるはずだったが、新解釈ではすでに2枠が決まったことに。日本協会はこれを受けてスポーツ仲裁裁判所に提訴した。昨年末から1月に裁定が出ると見られたものの、いまだに正式回答は得られていない。

 一方で五輪開幕まで半年を切り、機運を高めたい現場サイドからは不満の声が上がる。クライミング関係者は「選考基準が明確になっていない以上、選手のモチベーションが上がるはずがない。何かを聞かれても『頑張るだけです』としか答えようがないし、どうすることもできない」。

 8日開幕のボルダリングジャパンカップ(駒沢)、スピードジャパンカップ(22日、昭島)、リードジャパンカップ(3月7日開幕、加須)の成績次第でCJC出場も可能だが「いつ回答が出るか分からない。近々なのか来月、再来月なのか…。でも、CJCは開催の方向で進めている」(同関係者)と困り顔。果たしてこれが“選手ファースト”なのだろうか。