東京五輪・パラリンピック「選手村」(東京・中央区晴海)の交流スペースとなるビレッジプラザが29日、報道陣に公開された。

 選手が寝泊まりする宿泊棟エリアの玄関口として設置されたビレッジプラザは、大会期間中の選手の生活を支える施設だ。カフェや雑貨店、郵便局などが入るほか、各国の歓迎式典も行われる。木材の組み上げはほぼ終わっており、今後は内装工事を経て4月末に完成する。

 木の香りが立ち込める建物には全国63自治体から集められた約4万本(約1300立方メートル)の角材を使用。それぞれの柱には提供した自治体名が焼き印されている。木材は閉村後に自治体へ返却され、大会のレガシー(遺産)として公共施設などで再利用される。

 特筆すべきは「和」の空間を演出する様々な工夫だ。3本の斜柱をツイストした「レシプロカル架構」という手法が駆使されており、左右のひねりが交互に入り交じっている。これによって耐震性が向上し、間仕切りの壁が必要ないため広々としたスペースを確保できるという。

 また、天井が高いため圧迫感がなく、その高さは最大7メートル。エアコンも完備されており、関係者は「建物で選手が暑いと感じることはない」と話す。

 同施設は五輪開幕10日前の7月14日に開村し、パラリンピック終了後の9月9日に閉村。建築費は24億3000万円で、1日約2000人の来客者を見込んでいるという。