【バドミントン】新型コロナウイルスが五輪代表選考レースに影響も

2020年01月28日 16時30分

 新型コロナウイルスが東京五輪にも“感染”しそうだ。中国全土で肺炎患者は増え続け、死者は100人に迫る勢い。これを受けて、五輪代表選考が佳境を迎える各競技団体は中国での大会を中止するなど慌ただしくなってきた。中でも戦々恐々と状況を見守るのがメダル量産が期待される日本バドミントン界。先日は世界王者が大事故に見舞われる悲劇を味わったが、今度はウイルスに頭を悩ませている。一体どういうことなのか?

 中国全土で新型コロナウイルスが猛威を振るう中、五輪競技の各団体も早急な決断を迫られている。2月3~14日に武漢で行う予定だったボクシングの東京五輪アジア・オセアニア予選は3月3~11日にヨルダンの首都アンマンで代替開催。また、中国・杭州で開催予定だった陸上のアジア室内選手権は中止となり、女子サッカーの東京五輪アジア最終予選は南京市からオーストラリア・シドニーに変更された。

 状況を見守る団体も多いが、最もヤキモキしているのは複数の金メダルが期待される日本バドミントン界だ。なぜなら五輪選考レースの最終戦でもあるアジア選手権(4月21~26日)の開催地が、よりによって武漢だからだ。

 同選手権はグレード2に分類され、優勝者に9200ポイントが与えられる「スーパー500」の大会に相当する。先日、交通事故で大ケガを負って復活を目指している桃田賢斗(25=NTT東日本)が事故直前に優勝したマレーシア・マスターズと同等レベルで、代表選考への影響は計り知れない。しかも、バドミントンの五輪代表選考レースの締め切りは4月26日。つまり、代表を狙う選手にとって、この大会がラストチャンスなのだ。

 3か月後とはいえ、武漢は中国当局に現在“封鎖”されているだけに無事開催とは考えづらい。関係者によると「日程や会場を変更するなら大会を管轄するアジア連盟と中国協会が協議して行うことになる。ただ、選考レース対象ではあるけど、必ず開催しなければいけないという契約や縛りはない」といい、運営にノータッチの世界連盟が選考期限を延期することもあり得ない。

 1962年に創設された同選手権は2015年から昨年まで5年連続で武漢開催。日程について日本協会が口出しすることはできない。今後、他競技と同様に日程変更か代替開催が検討されるとみられるが、主催者の判断で5月以降に延期されたり、そもそも実施せずに選考レースが「打ち切り」という可能性もゼロではない。

 現在、ポイント独走中の桃田はすでに出場当確だが、2枠を3組で争う女子ダブルスは大混戦。リオ五輪金メダルのタカマツペアこと高橋礼華(29)、松友美佐紀(27)組(日本ユニシス)のように選考争いでラストスパートをかける者、当落線上にいる者にとって、開催の有無は人生を左右しかねない。

 日本協会関係者は「まだ春節中なので連盟と連絡が取れなくて…。とりあえず今は待つだけ」と頭を抱える。先日は桃田が大事故に見舞われて対応に東奔西走したが、一難去ってまた一難。今後の展開からは目が離せない。