【バドミントン】桃田 事故後の扱いで分かった東南アジアで“国賓級”の存在感

2020年01月15日 16時30分

クアラルンプール国際空港から帰国の途に就く桃田(中央=ロイター)

 東京五輪金メダル大本命でバドミントン男子の世界ランキング1位・桃田賢斗(25=NTT東日本)がマレーシア・クアラルンプールで死亡事故に巻き込まれたことは各方面に大きな衝撃を与えたが、東南アジアにおける桃田の“国賓級”の存在感がつまびらかになったのも確かだ。

 運転手が死亡したおぞましい大事故。2列目に乗車していた桃田はシートベルトをしていたことが幸いして一命を取り留めたが、顎部、眉間部、唇の裂傷、全身打撲の大ケガを負った。このニュースはマレーシア国内でもトップ級の扱いとなり、地元紙は「事故でチャンピオン負傷」などの見出しで大々的に報道した。

 バドミントンが国技級のスポーツでもあるマレーシアやインドネシアでは、桃田を知らない者はいない。選手仲間によると「街を歩いていると、桃田は常にサインと握手を求められる」といい、日本以上に知名度は高い。マレーシア側からすると、そんなスーパースターが自国開催のマレーシア・マスターズ(12日)で優勝した翌日に、自国が手配した車で大ケガを負わせてしまったのだから真っ青だ。

 当然、クアラルンプール近郊の桃田が入院する病院は“お見舞いラッシュ”。事故当日(13日)にはマハティール首相のシティ・ハスマ夫人が訪れ、桃田と握手するシーンが世界に配信された。さらに同国の青年・スポーツ相、保健相、在マレーシア日本大使館の岡浩大使らが駆け付け、翌14日にはワンアジザ副首相が政府からの見舞いの品「蜂蜜」を持参して訪れた。国賓級の待遇に桃田は感謝しつつ、ひっきりなしに対応したことで「少し疲れてしまったようだ」(日本協会関係者)という。

 日本協会の銭谷欽治専務理事(66)は3月中旬の全英オープン(バーミンガム)での実戦復帰を目指すという見通しを示した。

 その桃田は14日夜に退院し、15日には帰国の途に就いた。絶対王者の完全復活の日はそう遠くなさそうだ。