“日本らしさ”全開で東京五輪に臨む。アーティスティックスイミング日本代表は本番で使用するチーム・テクニカルルーティン(TR)の「空手2020」に力を注ぐ。

 今回の演技には突きや蹴りなど空手の「形」に似た動作が組み込まれている。昨年8月からは道着を着用して陸上で練習し、同9月の空手プレミアリーグ東京大会も観戦した。井村雅代ヘッドコーチ(69)は「空気を切るというのはこの競技の演技にも必要なこと。違うテーマでも役に立つ」と語った。

 2000年シドニー五輪でも空手をテーマとしたが「今見たらスローテンポで古いけど、忘れられないルーティンの一つ。日本の誇るべき文化で東京五輪が決まったときに絶対やりたいと思っていた」(井村ヘッド)と思い入れは強いようだ。

 一方、乾友紀子(29=井村ク)、吉田萌(24=ザ・クラブピア88)組のデュエットTR「忍者SAKURA」にはボーカロイド初音ミクの声を挿入。チーム・フリールーティン(FR)「今日はお祭り!」の表現力を高めるために阿波踊りにも参加した。

 乾以外の7人が初五輪とフレッシュなマーメイドジャパン。演技は日本文化の“宝石箱”になりそうだ。