【バトミントン】全日本総合4年ぶりV・奥原希望 プロ転向効果証明

2019年12月02日 16時30分

プロとして1年戦った奥原が底力を見せつけた

 涙の決断は正しかったのか。バドミントンの女子シングルス世界ランキング3位、奥原希望(24=太陽HD)が東京五輪での金メダル取りに向けて充実し切っている。

 昨今はアスリートのプロ化が相次ぐが、全日本総合選手権(東京・駒沢体育館)で4年ぶり3度目の優勝を飾った奥原もその一人だ。ちょうど1年前、同大会決勝でライバルの山口茜(22=再春館製薬所)に敗れた際には「ホントにたくさんの人に支えられ、感謝の気持ちでいっぱい…」と涙を流した。

 敗戦後とはいえ、ただならぬ表情に周囲はザワザワ。その真意は約3週間後に明かされた。奥原は当時所属していた日本ユニシスを退社し、プロに転向することを発表。会見では言葉を詰まらせながら日本ユニシスへの感謝の気持ちを語った。

 日本代表の活動日数は250日以上。さらに、企業に所属していると国内の大会に同行しなければならない。「ケガの多い私にとってはリスク。休息の時間や基礎練習を積む時間が取れず、コンディションを維持するのが精一杯」という奥原は、人生一度きりの東京五輪にすべてをささげるべく、高校卒業からサポートしてくれた会社を離れる苦渋の決断を下した。1年前の涙の裏にはそんな事情があったのだ。

 1日の決勝後、奥原は「前例のない挑戦」と表現したプロ転向後の1年を「自分の判断は良かったんじゃないかと思う」と振り返った。実際、海外でタイトルが取れない現状と向き合い、10月から長所のフットワークを見直すなど練習の「質」にこだわった。自分のために時間を使ったことで、五輪前の最も大事なこの時期に効果が表れた。奥原の今後の活躍次第では、バドミントン界でもプロ化が主流になるかもしれない。