バドミントンの全日本総合選手権大会4日目(29日、駒沢体育館)、女子シングルスの準々決勝が行われ、世界ランク3位の奥原希望(24=太陽HD)が大家夏稀(21=NTT東日本)を2―0で下し、4強入りを決めた。

 試合後は笑顔を見せていたが、今大会での引退を示唆している三谷美菜津(28=NTT東日本)の話になると、表情が一変した。

 対戦相手の大家は前日の試合で三谷に勝利。お互いが順当に勝ち進めば、今日の試合で対戦する可能性があっただけに「引退試合は私が良かった」と話すと、自然と涙がこぼれた。「NTT東日本に練習に行った際は、歯が立ちませんでした」と当時の思い出を振り返り、2014年の世界選手権で女子シングルス日本勢として37年ぶりの銅メダルを獲得した三谷に「彼女が日本の女子シングルス界の道を切り開いてくれました。心からお疲れさまですと言いたいです」と感謝の言葉を口にした。

 今後に向けて「先輩たちの思いを女子シングルスのエースとして引き継ぎ、背負っていきたい」と力強く決意を述べた。