【バドミントン】東京五輪メダルラッシュでバド協会が報奨金破産危機? 気になる金のスパイラル効果

2019年11月26日 16時30分

前日会見でポーズを決める桃田

 バードジャパンが名実ともに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。東京五輪でメダル量産が期待されるバドミントン日本代表は、26日開幕の全日本総合選手権(東京・駒沢体育館)で火花を散らす。中でも世界ランキング1位の男子シングルスの桃田賢斗(25=NTT東日本)は全競技を通して金メダルに最も近い男と言われるが、気になるのはメダル報奨金だ。今の勢いだと協会が“破産”する懸念さえ頭をよぎっているものの、焦りは全くない。そのフトコロ事情とは――。

 ある代理店企業がはじき出した桃田の金メダル確率は実に90%以上。他にも女子ダブルスは層が厚く、世界選手権2連覇のナガマツペアこと永原和可那(23)、松本麻佑(24)組(北都銀行)、女子シングルスでは山口茜(22=再春館製薬所)と奥原希望(24=太陽HD)が世界トップで争う。男子ダブルスや混合ダブルスも上位の実力があり、メダル候補を挙げればキリがない。実際、8月の世界選手権で日本は史上初めて全5種目でメダルを獲得している。

 そこで興味を引かれるのが報奨金だ。日本バドミントン協会は2004年アテネ五輪から金1000万円、銀500万円、銅300万円(ダブルスは折半)の報奨金を払っており、その30%はコーチに与える制度。日本協会の銭谷欽治専務理事(66)は「東京五輪もこれで決定」と断言する。

 あくまで机上の計算だが、今の勢いだと出費額が5000万円を超える可能性も十分。それでも銭谷専務理事は「今回はたくさん払わなきゃいけないね」と話しながらも、焦る様子はない。この余裕はどこからくるのか? ある代理店関係者は「スポンサーですよ。ダイハツさん」と笑みを浮かべる。

 自動車大手のダイハツ工業(本社・大阪府)は日本勢が活躍した16年リオ五輪後、代表のスポンサーに就任した。東南アジアでの市場拡大の戦略を立てる同社は、同じくマレーシアやインドネシアで人気のバドミントンに目を付けた。「当初はバドミントンなんて大丈夫か?とけげんそうな上層部もいましたが、今ではノリノリ。バードジャパンの人気で企業ブランドが売れ、日本協会は大口スポンサーの登場でウハウハ。相乗効果ですよ」(同関係者)

 毎年夏に行われる「ジャパンオープン」は長らくスポーツ用具メーカー「ヨネックス」がスポンサーを務めてきたが、今では「ダイハツ・ヨネックスジャパンオープン」に。「ダイハツさんの方が契約金が多い。冠はヨネックスが譲った形です」(同)。日本代表ユニホームも胸に大きく「DAIHATSU」の文字が躍っている。

 バドミントンが国技のインドネシアやマレーシアでは、桃田は町を歩けば顔を指される大スター。当地で日本人が活躍し、ダイハツが企業価値を上げ、潤沢資金が日本協会へ入る――。そしてメダリストに高額報奨金が回る好循環。“金のスパイラル”が生まれている日本バドミントン界は来年の五輪でもファンを楽しませてくれそうだ。